評価:★★★★☆ 4.1
「あなたは異世界の大魔導師(男)の生まれ変わりです」
ごく普通のJK、千歳美也子は、突如部屋にやって来た獣人の少女エイミにそう告げられた。
前世の記憶など一切ないが、美也子を「ご主人様」と慕うエイミのことは何故か覚えがあり、可愛くて仕方がない。とりあえず同居を始めることにしたが……。
母への説明、友人の意外な正体、前世の関係者たちが起こすトラブルは、何も思い出せない美也子を悩ませる。
その上、前世の自分に嫉妬したり、果ては魔王とも契約しちゃう!?
――獣耳少女といちゃらぶしつつ前世と周囲に翻弄されるJKの現代ファンタジー。
女性キャラ多めで、TS要素及び主人公無双はありません。ただし百合面では無双!
主人公の百合ハーレムに加わるのは、献身的なケモミミ、前世サキュバスJK、口は悪いけど優しい魔女、強~い大悪魔!
時に仲良く、時に嫉妬し合いながらもまだまだお子ちゃまなJK主人公を優しく見守ります。
※一部挿絵があります。イラスト:siroma様 ※カクヨム、マグネットにも投稿中
話数:全116話
ジャンル:
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
前世は異世界の大魔道師だったという少女の物語だが、そのファンタジックな設定とは裏腹に、物語はほとんどが現代で進んでいく。少女の周りには前世を知る多くの女性が集い、百合ハーレムの様相をていする。しかしその人間関係は一筋縄ではいかず、互いの因縁や世界の仕組みによって少女を振り回していく。思春期の少女という人物像を最大前に活かし、多数の登場人物が織りなすドロドロした生々し相関図の中で、多感な少女が何を感じてどう考え、いかなる答えを導き出すのかを精緻な心理描写で描いているのが特徴的だ。単なる百合ハーレムと、一言で片付けるのは失礼だろう。複数の人間の思惑のなかで、己の知らなかった己の前世を突きつけられつつも、「千歳美也子はどうありたいか」の自己性を確立する成長物語。それが本作の本質だと思う。等身大の少女の戸惑いと成長が楽しめる、良作だ。
前世は異世界の大魔導士だったーー主人公である美也子は、ある日唐突に現れたケモ耳の少女エイミに告げられます。さて多作であれば、この出会いの直後に異世界転移をして冒険スタートとなるでしょうが、こちらの作品は一味違います。JKとケモ耳少女によるゆるふわで素敵な百合の世界が始まりまるのです。異世界バトル要素にもたれ気味の読者の方には良い薬になる作品と言えるでしょう。読み進めれば、必ずケモ耳少女エイミちゃんの虜になること間違いなしです。ぜひ、ご一読ください。
普通の女子高生として普通の日々を送っていたはずの美也子。 そんなある日、突然自分の部屋に獣人のエイミが現れる。戸惑う美也子だが、しかしエイミにどこか懐かしさを覚える。エイミの口から告げられたのは、自分の前世が大魔導師であったことだった。しかも……男! 初めは、前世の内面をそのままうけついでいるのかなと思って読み始めたが、美也子はあくまでもひとりの女の子として着実に歩んでいく。 女の子の心の動きが繊細に描かれていて、周りを巻き込みながら、成長していく主人公の姿がとても微笑ましい。 とりあえず耳をモフらせてほしい! でも、飲み込みの早いお母さん推し笑!
この作品を読んで印象深かったのは、転生によって生まれた「因果」と「価値観の違い」でした。大魔術師に付き従っていた従者。その大魔術師から転生した一人の少女。それぞれの世界での価値観が違っていて、この物語では、それが二人の関係がとても素晴らしく表現されています。さらに、その二人の関係だけでなく、少女の母や友人がまた、この作品の濃い人間関係を大きく揺るがし、読んでいる私の心までも揺るがされました!是非、ご一読して、「因果」と「価値観の違い」による尊い世界観を感じてみてください!
好き。尊い。萌え。慈しみ。温かい。愛しいーー私の足りない語彙力では、これくらいしか表せません。口惜しい……!それくらいこの小説にはマイナスイオンが飛び交っております。私が読んだ所までではありますが、みーんないい女の子ばっかり!優しい世界で繰り広げられるテンポのいいハートフルストーリー!主人公!優しい!ヒロイン(元奴隷)!健気!一途!可愛い!お母さん!物分かりいい!愛情が凄い!特に卑屈なくらい健気なヒロインに優しくするのは堪らない…。いや、異世界で酷い待遇だった子がですよ?色々決まり事があって転移も大変だったろうに、主人を求めてわざわざ駆けつけてきたら……そりゃ、優しくしますよね!?それに涙を流すがの如く、逐一喜んでくれるんですよ!!?心が疲れてる百合好き社会人にお薬出しときますね!この「JKだけど、前世は異世界の大魔導師(♂)だったらしい」という名のお薬を。
本作は純粋でちょっと幼いJK美也子と異世界からのケモミミ少女エイミが織りなす百合である。序盤から繰り広げられる少女同士のこそばゆいやりとりと共に語られる重厚な設定。それが違和感なく織り込まれている文章は、それが丁寧に作り込まれているものだと感じさせる。何よりもまずこの作品の魅力は、自然と紡がれるとても純情な百合にある。自分の気持ちに気付かないながらも、エイミに想いを寄せ慈しみ、時には嫉妬をするその感情の機敏は、純情に心を揺らす少女の心を的確に表現している。ひたすらに好意を寄せてみたり、意地悪や魔がさしてみたり、作者の描く美也子という主人公はとても繊細にその感情の変化が描かれており、深い感情移入で作品に没入させる。十三世界という広大な異世界設定と、転生による前世の記憶という濃密な設定もまた読者を空想へと駆り立てる。是非ご一読を。読めば誰しも少女の恋ができるだろう。
「あなたは大魔導師の生まれ変わりです」 主人公――千歳美也子は、そう告げられる。 ここまでの展開は、他作品にも数多くある。 付け加えるなら、『生まれ変わり』というワードは、平凡な主人公が突如として強大な力を使い始める免罪符としての意味合いを持つことが多い。 だが、この作品では、周りの者達や敵対者が人外の力を有する存在ばかりであるにもかかわらず、主人公の美也子は、あくまでも一人の少女として、数々の問題に立ち向かって解決していくのだ。 彼女に好意を持つ周りの者達の助けはある。 けれど、それは力を持たない美也子が頑張る事への後押しに過ぎず、それが、本作を一人の少女の等身大の努力と気持ちを読ませてくれる快作に仕上げている。 主人公無双のカタルシスも素晴らしいものだ。 しかし、懸命に頑張り、けれど時には手を抜いたりする、人間らしい主人公のお話を読んで見るのもいかがだろうか?
本作は、普通の女子高生だった主人公の下へ、異世界から獣人の娘がやって来るところから始まる。聞けば、主人公の前世は異世界の大魔導師で、獣人の娘はその従者。主人が生まれ変わろうとも変わらない忠誠心で、現代に留まることに。この作品の魅力は、何を差し置いても百合に違いない。ご主人にしか愛撫を許さないいじらしさ。愛くるしい行動。付き従う従者の方が背が高いかつ隠れドSというのも、萌えポイントに違いない。また、ストーリー的にも他にあまり見ない展開を見せる。前世の記憶は何も思い出せないまま、母親や友人、前世の関係者たちが巻き起こすトラブルに振り回される主人公。読んでいて気持ちをほっこりさせてくれる、ハートフルファンタジーだ。是非、ご一読を。
百合好きなら控えめに言って「最高」。そんな言葉が突き刺さります。如何せんエイミちゃんが可愛いです。ケモミミ従者。最高です。主人にしかモフらせない健気さもクリティカルヒットです(語彙が少なくてすみません) しかもこのエイミちゃん、現代日本にどんどん順応していくじゃあありませんか。もう嫁にほしい。いや百合百合しててほしいんですけど(どっちだ) 異世界あがりのエイミちゃんを愛でる作品かと思いきや、それだけでなく主人公の美也子のJKらしいキャラクター性も魅力的です。前世が大魔導師(しかも男)だけど今はすっかり可愛い女の子です。天然『たらし』のおまけつき。最&高。 読みながらニヤニヤが止まらない作品は初めてです。百合好きは必見。ご賞味下さい!!