評価:★★★☆☆ 3
これはある夢の話である前に、ある部屋の話である。
中学二年のときだった。
ぼくは丸一年、使われなくなった「進路相談室」に通った。不登校からクラスに復帰するステップとしての別室登校だった。ぼくはそこで土屋先生に出会う。ぼくにたいせつなことを教えてくれた先生。そしてなにか、大きな呪いのようなものを残していった先生。事件は夢に「進路相談室」が現れたことからはじまる。梅雨の季節だった。夢の「進路相談室」は現実の「進路相談室」と変わらないくらい生々しかった。夏休みに入ると「進路相談室」は毎晩夢に現れるようになる。やがて、土屋先生も。
何も知らなかったころの自分がなつかしい。いまのぼくも何かを知っているわけではないのだけれど。でも、土屋先生がどうなってしまったのかは、何となくわかっている。
たとえば、きっともう、夢でも会うことはないだろうということとか。※この作品は著作者によりpixivにも掲載されています。
話数:全2話
ジャンル:
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象