評価:★★★★☆ 4.1
ある晩、何故か1942年、太平洋戦争中のガダルカナル島と、とあるコンビニエンスストア前の洞窟が繋がってしまった。
現れる飢えた日本兵。
彼等に水や食糧を補給しても良いのだろうか?
最初は「近くにあるサバゲーの会場ではぐれたコスプレ日本兵」と思っていた「俺」だが、徐々に面倒事に巻き込まれていくのだった。
話数:全81話
ジャンル:エピック・ファンタジー タイムトラベル
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:残酷な描写あり
深夜、『俺』の勤めるコンビニに男がやってきた。『貴様、日本人か?』旧日本兵のガチコスプレ中らしい。近くにあるサバゲー会場からのお越しだろうか。男は売り物の水をその場で飲み、鞄に詰め、気絶。――ロールプレイにも程がある!『俺』は通報した。……コスプレじゃなかった。「1942年、太平洋戦争中のガダルカナル島」『立つことの出来る人間は、寿命30日間 身体を起して座れる人間は、3週間 寝たきり起きれない人間は、1週間 寝たまま小便をするものは、3日間 もの言わなくなったものは、2日間 まばたきしなくなったものは、明日』飢えで死ぬ戦場。男は、そこから時空を超えて来店したらしい。その後も同地から、兵士はやってくる。『俺』は彼らに水と食料等を販売する。顔見知りになってしまった、旧日本兵に。悲惨な結末をたどるであろう、先人に……
この物語は語り口は軽くて馴染みやすく、 作者様の抱く世界観もとても練られていて面白い。 けれど根底にある切なさが、 この小説の世界観を最大限に引き立たせています。 手を伸ばせば救えそうな命はけれど、 掬い上げた指の隙間から確実に零れ落ちてしまう。 個人的に作中にある主人公の母親の言葉が胸にきました。 悲しい歴史はほんの僅かに改変されるものの、 大きく戦況が好転したりするわけではないもので……。 それでも先を読ませる作者様の筆力に脱帽です。 まだまだ続きそうなこの作品、是非ご一読下さいませ!