評価:★★★★☆ 3.7
不思議なことが好きな女性、マリエ・ルルーナ。
彼女は、結婚式前日、婚約者であるカイ・エッカルトから呼び出された。そして告げられたのは、婚約取り消し。
しかも婚約取り消しだけではなく、心が他の女性に移ったことが分かるような言い方をされたマリエは傷つき、衝動的に近くの崖から身を投げる。
しかし、彼女が命を落とすことはなかった。
謎の青年ジェネが助けてくれたからである。——これは、マリエに訪れる、終わりと始まりの物語。
著作者:四季 無断転載は固く禁じます。
話数:全17話
ジャンル:
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:R15
不思議なことが好きな主人公マリエ・ルルーナ結婚式前日、婚約者に突然呼び出された理由は他の女性への心変わりを告げられ怒りと悲しみの雫が頬を伝う途方に暮れた彼女は近くの崖から身を……そして目を覚ますとそこには……!どこか幻想的で想像の膨らむお話。そして終わりからまた始まるお話。突然の婚約破棄による絶望から始まり、そのことがもたらした新たな出逢い、心の移り変わりなど、細やかな描写で情景を思い浮かべながら読むことができます。また、優しい文章は読み手の心にスーッと入ってきて、心地良さを覚えるでしょう。ラストまで読んで、続きが読みたいなぁ~なんて思える作品です。ぜひ読んでみて下さい♪
祝福されるはずだった喜ばしき日。そのひとつ前の日。相手から残酷な言葉が下される。おー。これはいたわしい。奈落の底へと落とされし者。マリエ・ルルーナ。苦しき心の誘われるがままに、死への甘い誘惑に負ける。切り立った崖へとその身を投げ入れた。これで終わりなのか。否。ここから始まる。ここは死後の世界なのか。否。彼女は生きていた。見れば、植生の異なる岩場に横たわる。ここで美しき青年に出会う。かの者の名はジェネ。不思議な雰囲気を醸し出す。彼が彼女を助けたという。静かで穏やかな優しい時が流れる。生きるということ。その意味は。優しさと厳しさ。ヒトという生き物の業。悲しみは喜びと共に時の彼方へと。この優しくも深みがある不思議な物語。そして、すんなりと入っていける。これを読めば。この作品から滲み出る優しさに包まれる。
婚約者から突然言い放たれた『婚約破棄』と言う言葉。自分に非があるのなら、それも納得出来よう。だが、彼女には一切の非はなく、その婚約破棄は、余りにも一方的なものだった。失意の中、気付いた時には、彼女は断崖に居た。そこで彼女は大きく息を吸った後。そのまま勢いよく崖に飛び降りた。無念を胸に残したまま……さてさて、これがこの物語の冒頭部分に成るのですが、皆様は、どう感じられたでしょうか?崖から飛び降りた筈の彼女が、どうやって新しい恋を始めるのか気になりませんか?気に成っちゃいますよね。でも敢えて、此処では、これ以上はなにも触れません。何故なら、本当に【その恋の始まりからを、皆様にも体験して欲しい】からです。ですので、このレビューを読んで下さった皆様。どうか、この勢いのまま、本編をご堪能くださいませ♪凄く良い体験が出来ると思いますよぉ♪
『申し訳ないが―――』 彼の突然の裏切りに『せめて少しは後悔させてやろうと―――』 女の爪痕を遺す事にした主人公は『―――君って、ちょっと礼儀がなってないんだね』 失意の最中青年と出逢う その儚き夢に、そしてあどけなき胸に抱えし絶望を引き摺りながら登るは、まるで黄泉比良坂。 もう戻ることは無い。現世に恨みを連ね彼女が飛び立つ先に待ち構えるは白銀の紅だった―――