評価:★★★★☆ 4.2
我が主は変わり者の女領主である。陰気な幽霊城に住み、領地経営に追われる日々を送る。そんな彼女のたった一つの道楽は、恋愛小説家を育てること。それで貧乏暮らしをすることも厭わない。──現実的なようでいて、夢見る乙女な一面を持つ彼女と、元騎士だった朴念仁なバトラーとの、誤解とすれ違いの恋物語。
(旧題 うちの御領主様)
***第九回一迅社文庫アイリス恋愛ファンタジー大賞で、金賞をいただきました。読んで応援してくださった方たちのおかげと思っております。ありがとうございます!***
(一迅社アイリスNEOより、2月4日に書籍化されました)
話数:全82話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
これぞ、一人称小説の醍醐味。そう感じさせる一作です。主人公は、若き女性領主を支える年上のバトラー。(バトラーは執事のようなもの、とあえて書かせていただきます)あ、そうですね。これだけで本筋は予想がついてしまうと思います。ですので、そこらへんは実際に読んでご確認ください。しかし、この作品の真骨頂は、バトラーによる語り(一人称)です。固定されたただ一人の主観という文章は、意図的に情報を削られています。そして、読者の好奇心を掻き立て、想像を膨らませるのです。そういう意味では、作者と読者との共作に近い作品かもしれません。正月のゆったりした雰囲気の中、あんまい世界に体を沈めてみませんか?