評価:★★★★☆ 4.1
侯爵令嬢エヴェリーナは未来の王太子妃として育てられたが、突然に婚約破棄された。
王太子は真に愛する女性と結婚したいというのだった。
その女性はエヴェリーナとは正反対で、エヴェリーナは影で貶められるようになる。そんなある日、王太子の兄といわれる第一王子ジルベルトが現れる。
ジルベルトは王太子を上回る素質を持つと噂される人物で、なぜかエヴェリーナに興味を示し…?※アルファポリスにも掲載しています
話数:全13話
ジャンル:悪役令嬢モノ
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
作者さんの作品に共通して言えるのですが、とても読みやすいのが特徴です。「読みやすい文章の基本」をしっかり押さえており、平易すぎず凝りすぎず、スイスイと読めます。また、キャラの心理、思考がしっかりと、かつ伝わりやすい描写で掘り下げられていくので、没入感がありながら中だるみもなくスッキリと読み終えられます。今作の話に入りますと、見所は主役二人の「貴族らしさ」にあります。貴族主人公といえば、転生だ、変人だと「庶民」に寄せた設定が多いのですが、今作の主役は生粋のエリート貴族であり、出自も高貴なら中身も高貴なお二人です。感情移入しにくそうな立場の方達ですが、挫折に悩み、理解し、乗り越える、という普遍的な筋立てによって素直に共感できるキャラ、物語に仕上がっています。それでいてエヴェリーナの気品、ジルベルトの風格が二人の高貴さをしっかり表現しており、とても華麗な作品になっています。
作者様は本作を先に、ヒーローたる第一王子の物語を後にと薦めておられますが、読者としてお勧めするのなら先に第一王子の物語を読んだ方が本作のテーマを深く味わい深く感じる事ができるように思います。持つ者、とは言うまでもなくマルタであり、持たざるゆえに努力した者はエヴェリーナですが、同時に王太子と第一王子の関係も対に配されているのがポイントとなり、エヴェリーナが何を想い、自らの気持ちの行方をどう決めるのかが物語の主軸となり、彼女を取り巻く人々が悪意なく彼女を傷つける中で、第一王子が如何にして彼女の心を絡め取っていくのかが見所です。よくある婚約破棄された悪役令嬢がチートでのし上がる訳ではなく、エヴェリーナは彼女自身が努力し得た美貌と才覚しか持たず、第一王子もまた微妙な立場ゆえに巨大な権力を持ちません。それだけに異世界物語でありながらリアルな人間関係の物語を楽しめるのだと思います。良作でした
まず文章や表現の美しさに引き込まれました。読みやすく、かつどこか品のある表現によって世界観に自然と入り込めるという貴重な体験をした時点で、この作品のファンにならざるを得ず。そして2人のヒロインの対比が鮮やかです。『完璧な淑女』そのものな主人公エヴェリーナと、奔放なマルタ。正直に申し上げてエヴェリーナの方は始め、まさに欠点もないけどお人形さんみたいな印象だなと思っておりましたが、それは今まで(元婚約者を含めて)彼女本来の魅力を引き出せる相手がいなかっただけの事。見事にそれを為したヒーローの手腕と鋭く危うい魅力から終始目を離せません。こんなにお似合いな二人が幸せになるまでを是非見守りたい!と毎日更新をチェックさせて頂いた日々はとても楽しいものでした。お薦めの作品です!
人々はこの作品のタイトルを見て、テンプレ化した萎えるやつね!と思うかもしれません。しかしそれは間違い!小説経験が少ないもちミント★の意見になるのですか、これはすごく面白いんです!↓ネタバレです!ごめんなさいヽ( ̄д ̄;)ノまず、主人公が婚約破棄されるところから始まります、この時、大抵の小説ではヒロインは王子様の後ろで震えているようなキャラです。。しかし、この小説はヒロインが超絶強気でしっかりと憎めます!飯ウマです!そんな子なので、かわいそうだな〜なんて一切思わずに読み進められます!さあ、是非読んでみてください!