評価:★★★★☆ 4.3
高嶺の花の生徒会長と付き合うことになった。
成績優秀、眉目秀麗、品行方正――近寄りがたい完全無欠の優等生のように思われている彼女だが、その本性は『面倒くさい』のひと言に尽きる。
例えば「どこかに出かけない?」とデートに誘ったら「文化祭の残務処理で多忙を極めるので無理です」というあまりに無情な返事が返ってくるのだ。
並の男子なら心折れてしまうところだが、冷静に翻訳すると「忙しいので手伝ってください」という本音が見えてくる。この程度は初歩だ。……ドMじゃない、駆け引きを楽しんでいるだけだ。
これはひねくれ者の彼女と、その理解者を志向する僕が、虚言と本音、打算と温情、駆け引きと体当たりによって、距離を縮めていく物語である。※拙作『Room No.403』の続編ですが、面倒くさい女子と捻くれた思考の男子が、小難しいことを言い合いながらイチャつく話として、単品でもお読みいただけるのではないでしょうか。
話数:全100話
ジャンル:ラブコメ
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
「ハッピーエンド」が好きな方は多いだろう。こと創作物において、ハッピーエンドで終わらせるのは最も一般的であり、暗黙の前提と言っても過言ではない。しかしそれに反し、現実にハッピーエンドに到達した、と主張する者は多くない。なぜなら、現在の先には常に未来があり、今の幸せが未来の幸せを保証することはないからだ。幸せに日常を過ごすことほど難しいことはない。 本作に登場する人物たちは、そんな現実の過酷さをよく理解している。その上で、不退転の覚悟を持って力強く未来へと歩を進めるのだ。彼らはどこまでも人間くさく、悩み、ときには愚かにもなる。それでも後悔に足を止めることをしない。やり直しのきかない今を生き、必死に未来を選び取る姿に、共感を禁じ得ない。 既に完結済みの本作はハッピーエンドで終わっているのか。それは是非、前作『Room No.403』と本作を読んだ上で、読者一人ひとりが判断して欲しい。