評価:★★★★☆ 3.9
とある世界の東に位置する国の皇太子、琥珀。彼は、世界から疎まれる異世界人の血を引いている。
その琥珀を命に代えてでも守ると誓った少年、蓮。不安定な世界に揺れる二人の少年の物語。
生きて、生かされ、抗い、流され、それぞれの感情が交叉した先で、彼らが迎える結末は。二つの世界を舞台に描くダークファンタジー。
──さよならの前くらい、思い出は綺麗なままでいい。
Ⅰ : 皇宮襲撃/異世界編 始の章
Ⅱ : 樹海編 救の章
Ⅲ : 伊織編 繋の章
IV : 真実編 転の章
Ⅴ : 過去編 解の章
Ⅵ : 革命編 結の章❀ ❀ ❀
※ 第二章以降の1話の前書きにて、登場人物とそれまでのあらすじを掲載しています(⚠︎前章までのネタバレを含む)。
話数:全52話
ジャンル:
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
単なるファンタジー物と言えば、大体が異世界へ転生したり、転移したり、あるいは昔ながらの王道ファンタジーを思い浮かべると思います。しかし、この作品で出てくる異世界はそこがメインの舞台になるというよりも、物語を進める上で必要な要素の一つとして組み込まれています。私がこの作品でお薦めしたいと思ったのが、その独特な世界観で描かれている内容と、異世界人の血が流れる生まれながらにして疎まれる存在である主人公の琥珀と一心同体になったような感覚で読めるところです。主人公に起こる災難や悲しい出来事など、卓越した描写により自分のことのように感じられます。さらにこの作品は、じっくりと読むことで味が出てくるような作品です。今回は「俺の名前を着た君に。」が、もっと読まれるべき作品だと思い、レビューを書かせて頂きました。本当に素晴らしい作品なので、今後の展開に注目です。
生まれながらに疎まれる異世界人の血を引く皇子、琥珀。彼を守る血の守り人、蓮。これは、二人の友情を軸に紡がれるダークファンタジー。この話の良いポイントは独特の世界観と彼らを襲う残酷な運命を、まるで我が身のことのように思える程の臨場感で楽しめるところ。友情好きとダークファンタジー好きならば、間違いなく一度読む価値はある作品。今後、異世界や皇族の秘密が明かされる時が楽しみだ。