評価:★★★★☆ 3.9
婚約破棄され、そのうえ家を追放された伯爵家の次男アロルド・アークス。貴族ではなくなったもののアロルドは絶望することはなく、無双の強さと、ちょっと足りない頭に比類なき強運で幸せに生きていく。
アロルドが求めるのは、食事に困らない生活と屋根のある所で寝れること。しかし、アロルドが起こす騒動は周囲の人々を巻き込み、アロルドの評価や地位を押し上げていく。求めていた生活とはかけ離れていくものの、アロルドは気にせず生きていくのだった。※本編完結しました。
話数:全273話
ジャンル:
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
とある事情により主人公の頭がイカレている為、そんな主人公の一人称の語りはかなり読みにくい部類に入ると思います。しかし、徐々に語り口が変化していき、中盤以降の語り口の変化から主人公の変化を読者に悟らせる技術は純粋にすごいと思います。最初のキャラ紹介までが楽しみ方の説明書ですので、語り口が合わないからといって数話で辞めてしまうのは勿体無いです。私は一週間かけて一気読みさせていただきましたが、どんどん引き込まれていき本編最終話で満足感と喪失感が同時に押し寄せてきました。途中、二年間休載していた為、ポイントなどでは伸び悩んでいますが、かなりの良作ですのでとりあえずキャラ紹介まで、できれば西部編までは読んでみることをオススメします。
久しぶりにセンスと才能が溢れている作品と出逢いましたなぁ!作者様が紡ぎ出す文才力! 最新話まで飽きさせることのないキャラクター達の個性を余すことなく表現、感性の掛け違いをブレることなく読み手に伝える力! 上記のポイントは商業誌レベルで鑑みても上位クラスに入りそうな程のポテンシャルを感じてしまいました。内容に関しては好き嫌いが少し分れてしまう部分もあると思いますがなろう読み手玄人様だけではなく、概ねなろう初心者様も好まれる作品ではないでしょうか。皆様、六月の夜長にこちらの作品を読まれてみてはいかがでしょうか。
代わり映えのないクソランキングに辟易としているのであれば「これを読みな」と進言させていただきます。最強系主人公も正しく使えば不快にはなりえないのです。回りの人物ではなく主人公自体をキチガイ(アホ)化することで、最強系によくある不快感が存在しえなくなっています。個人的にはですが、間違いなく現在絶賛放送中の某書籍化作品よりかは面白い。
『捨てられた世界で、捨てられた奴らが集まって何かを成すとか、話しが出来過ぎで気持ち悪いが、まぁ頑張れ。家から捨てられた貴族に、捨てられた魔法、捨てられた信仰とか、変なものばかり集まっていくのも困りもんだが、どれも悪くはない物だ。思い知らせてやるのも悪くないだろうよ。お前らを捨てた奴らがどれほど価値があり、恐ろしいもの捨て去ったのか、そしてそれが牙を剥くということがどういうことなのかを、懇切丁寧にその身に教えてやれ』