評価:★★★★☆ 4.2
檸檬絵郎さん主催「魅惑の悪人企画」参加作品です。
十九世紀の巴里で有名だった一人のクルティザンヌ(高級娼婦)に関して、様々な人たちが語ります。自分の思うままに生きた女性に振り回された人間は、果たして不仕合せだったでしょうか。
実在したラ・パイーヴァやほかのクルティザンヌをモデルにして書き綴りました。無断転載、無断複製を禁じます。
話数:全15話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:近代
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
これは、十九世紀後半のフランス、退廃と悪徳と拝金主義がもてはやされた時代を生きた、ある一人の高級娼婦の物語です。分類としては歴史小説になりますが、非常に読みやすく、それでいて重厚さを失わない絶妙な仕上がりの本作。ただし、その物語は彼女自身が語るのではなく、彼女とかかわった人々が語ります。立場も考え方も様々な語り部たちは鏡となって彼女を映しますが、その鏡は必ず曇っている。あるものは同情ゆえに、あるものは軽蔑ゆえに、そして、あるものは愛ゆえに。彼女を映す最後の鏡は彼女に何を見出すのか。ぜひお確かめください。