評価:★★★★☆ 3.8
不慮の事故で本来の寿命より早く死んでしまった川原真理亜は、運命の3女神の力で異世界に転生した。前世の記憶を持ったマリアは大好きな紅茶が飲みたい一心で、紅茶作りに奮闘し、お茶の生産から販売まで手を広げ『茶師の姫君』とあだ名される事になる。そんな彼女の前に現れたのは、軽くて何事もやる気のないダル系青年ジェラルド。
ヒモ男に気に入られても、無視してクールに仕事にのめり込むマリア。茶師として仕事に熱中する、キャリアウーマンのサクセスストーリー。
恋愛フラグをへし折り仕事に生きるワーホリ女子を、謎だらけのヒモ男がただ見守るだけ。ハラハラドキドキサスペンス要素ありの、働く女性を描いた異世界お仕事小説。
恋愛要素はあまり期待せずに、長い目で見守ってください。
話数:全124話
ジャンル:仕事もの
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
早逝した女性が異世界で人生をやり直す――王道で始まる本作のヒロイン・マリアは、しかし一風変わっている。無類の紅茶好き、しかも重度のワーカホリック。この世界に紅茶文化がないと知るや、木の栽培から茶葉の製造、流通まで紅茶の普及に心血を注ぐ。イケメン王子に頼られようが、幼馴染にコクられようが、恋愛にうつつを抜かしている暇なんてないのだ。彼女の淹れるお茶は頑張る人を励まし、壊れかけた絆を結び直し、やがて国と国との諍いまで解きほぐしてゆく。地道に努力を重ねるマリアの姿はチートとは程遠く、現実感がある。仕事に邁進する中での高揚感、壁にぶち当たった時の苦しさ、ふと周囲を見回した時の迷い……現代日本で働く女性ならきっと共感できるはず。物語の終盤で彼女が見つける答えは貪欲で爽快である。ストーリーやキャラクターはもちろん、脇を彩る紅茶の豆知識も楽しい。温かいお茶を淹れて完結を見届けたい。