評価:★★★★☆ 4.2
シリーズ第一作。父が遠い異国で亡くなったらしい。遺品を引き取ろうと港町に向かった少女マリー。しかし父の遺品は船。父母を奪った海が嫌いなマリー。おまけに今判明する、自分が極度の船酔い体質だという事実。
ついでに船乗りも嫌いになった! いりません、船なんて! ……そんなマリーが気がついたら船長になっているという物語。天気はいつでもヒロインの味方です。タイトル変遷
1/9-2/26まで
「何でもありの大航海時代ファンタジーだからってバルシャ船の船長がバニーガールはないと思う」2/27-11/13まで
「少女マリーの船出」
11/14-
「少女マリーと父の形見の帆船」4/6カクヨムにも掲載
話数:全44話
ジャンル:
時代:大航海時代
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
主人公マリーさん(15才)がとにかく健気。彼女の人生は、きっとこの物語の最初が一番どん底ではないかと思う。商船の船長だった父が亡くなり天涯孤独となったマリー。彼女に残された財産は、家庭を顧みなかった父親のちっぽけな船だけ。けれど本当は、それだけじゃなかった。父が残してくれたものは。それはマリーが、やはり船乗りの娘であった証明みたいなもの。境遇が境遇だけにマリーの思考は後ろ向きです。けれどその独白が何故か、健気なんだけど…面白いのです。そして彼女は自分でも気づかなかった、とある才能に目覚めます。これがお話を盛り上げており、非常に楽しいのです。海洋ものとしては交易が主体。都市間の航海日数だとか名産品とかの設定が詳細にされています。特筆すべきは食事のシーン。街ごとに美味しそうな料理の描写が出てきて、思わず「食べたい」って言ってしまいます。