評価:★★★★☆ 4.2
国王陛下の書斎には、少し変わった絵が飾ってある。黒い喪服を着た顔色の悪い痩せた少女の肖像画だ。背景に描かれたレギスの町は明るい光に満ちているが、それがかえって少女の陰鬱さを強調するような、あまり見ていて楽しい気分にならない絵だ。これは、この絵の少女と、少女の出会った少年の辿った生涯の物語。本編完結しました。番外編もそれぞれ完結しています。誤字報告ありがとうございます。
話数:全24話
ジャンル:純文学
時代:中世
舞台:未登録
雰囲気:シリアス
展開:未登録
注意:悲劇
国王の書斎に飾られている一枚の絵、そこに描かれているのがタイトルにある「黒衣の王女」らしく、背景の明るい町の様子にそぐわない痩せて顔色の悪い喪服を着た王女の姿は見ていて楽しい気分にならないとあり、最高権力者の部屋になぜそんな絵が存在しているのか、どうして王女はそのような衣装に身を包んでいるのか、と興味を持ちました。王女と彼女の出会った少年のお話ということで、少年が「国王」なのだろうかと考えつつ、誘われるように作品への扉を開いたところ、途端に物語の世界へ引き込まれ、最初から最後まで一気に読んでしまいました。「悲劇」のタグがあるので、普段ハッピーエンドの作品をよく読まれている方々は通り過ぎてしまわれそうなのですが、ぜひあなたにもこの感動を味わっていただきたいです。