評価:★★★★☆ 4
(異世界転移前を主に舞台としてます。現代ドラマ>ローファンタジーですので、ヒューマンドラマとしております。中身は医療ドラマxラブコメ+ちょっと異世界)
――目の前が真っ暗だ……。何も見えない。
交通事故により視覚に障がいを持ってしまった研修医・本間浩。
彼のそばには同期の遠野みゆきがいつもいた。それは彼女もまた原因不明の睡眠障害を抱えていたためだ。浩がそばにいると、なぜかみゆきは突然の睡魔におそわれない。それに彼にいざというとき起こしてもらえるからだった。
共に障がいのため、希望していた脳外科医の道をあきらめざるを得なかった二人。
そんな彼らが選んだ道は、事故や病気で脳に障がいを負った人たちをケアする道だった。脳卒中や事故による脳挫傷から社会復帰しようとする患者さんたち。そして彼らをサポートする職員たちと共に奮闘する日々は、浩とみゆきを変えていくのだった。
そして交差する浩とみゆきの想いの行方は?(異世界に転移する前のお話です)
*本作品に登場する患者様については、物語上の氏名とはいえ、同姓同名で同じ疾患や障がいで現在も苦しんでおられる方がいる可能性も考えられますので、イニシャル一字のみとしております。ご了承くださるようお願い申し上げます。
**本作品は「カクヨム」様、「アルファポリス」様、「ノベルアッププラス」様にも掲載しております
時代:現代
舞台:未登録
雰囲気:シリアス
展開:未登録
障がいを持った二人三脚なお医者さん(社会福祉士&神経内科医)を中心に、事故や病気で脳に障がいを負った人たちをケアする姿を書いた『本格医療系ラブコメ』です。と書くと、重い話のように思いますが、作中の人間ドラマは心をコツンコツンと上下左右に心地よい程度にノックしてきて、テーマの重さを感じるまえに「あれ、もう読み終わってしまった!」となってしまうと思います。実際に患者さんと相対しているからこそ書ける、確かな医療知識とリアルな人間模様。作者さんが活動報告に書かれている『「脳卒中は一度死ぬ」って知り合いのDrは言ってるほどです。それでも一生懸命な人たちですよ。』という言葉が、この物語のそこかしこから読めてくる真摯さの根幹なのだと思います。この主人公たちにはぜひとも幸せになってもらいたい&患者さんを幸せにしてもらいたい。是非読んでみてください!