評価:★★★★☆ 3.9
悪の秘密組織には色々な怪人たちが所属している。
彼らは世界各地の神話や民話の末裔、神や妖怪の子孫。
吸血鬼や、狼男、珍しいのでは座敷童などもいる。
怪人たちは独自の超人的な能力をもって、敵と戦う。今回、組織の存続が危機にさらされた。
解決に必要なのは、幻の神花(しんか)という薬草。この薬草探しに4人の怪人たちが立ち上がった。
探すべきは神花の情報を握る科学者。
立ちはだかるはロシアのカルト教会と未知の敵。今、壮大な物語が幕を開ける!
話数:全627話
ジャンル:異能バトル
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
この作品は、おもに現代を舞台にしつつも、ファンタジー要素とアクション要素を加えた作品です。主人公は30代の女性。物語は彼女の子供時代からはじまり、徐々に彼女が属する組織や、彼女の生い立ちが語られます。そして、一通りの基本世界観が提示されたあと、彼女がとある「任務」を受けたところからが、この物語の本当のスタートだと思います。木を隠すなら森の中、文字を隠すなら文字の中。とでも言うように、この作品はかなり、心理描写も情景描写も、語られるエピソードも多いです。ある時は旅行記さながら街の様子を詳細に伝え、ある時は他愛ない日常会話を書き連ね……と、一見すると長いだけに思うかもしれない部分が、実は後々の伏線になっている!「イス」ひとつがキャラクターの心理を語るうえで大事な伏線になってたときは驚きました。丁寧な描写で濃厚な世界観に浸りたい方にオススメです。
キャラクター達の設定と個性が魅力的な良ダークファンタジー。この小説は主に4人の視点で話が進んでいく。多濡奇(たぬき):セイレーンの子孫。異能は歌。奈崩(なだれ):ひだる神の子孫。異能は細菌。九虚(くこ):空狐の子孫。異能は治癒。志骸(しがい):油赤子の子孫。異能は爆弾。怪人たちは幼いころから殺し合いをして育つ。そこは不条理な世界。強者だけが生き残れる世界。そんな世界で生き残った怪人たちは皆、深い背景と信念を持っている。この小説ではそんな彼らを生々しく描いている。それぞれの視点で価値観が変わり、物事の見方が変わる。一方の視点で感じたことが別の視点で覆される。そのため、それぞれ主人公の関わり合いがたまらなく面白い。暗くてえぐい描写も多々あるが、続きが気になってページめくりが止まらない。ダークファンタジー好きな貴方にはたまらない、読み応え抜群の作品です。
この名作を放っておいてはいけない。流行りの作品ではない。なぜこれが無料で読めるのか。そして、なぜ読まれないのか。75%致死率の仕事に、特殊な生い立ちを持つ四人で立ち向かいます。誰かひとりしか生き残れません。序盤は確かに、人を選びます。しかし、じっくりと腰をすえて読み進めていただきたい。十万字を超える頃には、夢中になることでしょう。キャラクターの感情と思惑が交差する伏線回収に、何度唸らされたことか。このキャラクターには、こんな思惑が……!という衝撃。特に、多濡奇の過去編を受けての奈崩の過去編。正直、作者にしてやられた……と思いました。なろうらしからぬ名作です。美しくも切ない生き様を読書を通じて感じたい方へ。とにかくブクマして読んで!
めちゃくちゃ面白いです!この作品は、現代が舞台のダークファンタジーで、いわゆる異能力バトルに当てはまります。主要キャラは四人います。この四人の群像劇になるのですが、全員とにかくキャラが濃いです。全員わりと第一印象が悪めなのですが、ちゃんとした理由があって、うわコイツ救いようないな……って思っていたキャラの行動に、切ない理由があったりして、泣けます……。演出や会話、情景描写、設定もセンスが光りまくっています。たぶん作者さんの知識がすごいんだと思います。異能力も、よくある炎!氷!雷!とかのレベルじゃないです。強みと弱点、使用する上での制約も考えられていて、とにかく面白いです。独特なほの暗い雰囲気なのですが、ときどきクスっと笑えたりして、読みやすいのも◎!もっと評価されてほしい作品なので、ぜひ読んでみてください! 奈崩の過去編がおすすめです!ああ、文字数が足りない……!
マイクのスイッチを入れる。全館放送だ。「今から歌います、ね。これは、雪解けの歌、です」世界各地の神話や民話に語られる怪異の末裔たちが、その血統に宿す特異な力『因果』を駆使して戦う、異能バトルものです。冒頭の文章は、メインキャラクターの一人、多濡奇が力を振るう場面。彼女はセイレーンの末裔で、広域殲滅型の歌使いなのです。彼彼女たちは、異能の力で特殊な任務を日々こなしています。そして今回、招集された多濡奇たちフォーマンセルが挑むのは、予言にて生存率25%と出た高難度の任務。誰が死に、誰が生き残るのか。あるいは全員生還するのか、それとも全滅するのか。その結末を、是非共に確認しましょう。夜のようにほの暗い雰囲気が覆う物語です。好きになる人は、相当なお気に入りになるかと思います。一度目を通してみて下さい。
端的に言えば、現代を舞台に繰り広げられる、異能力バトル物です。能力バトル物と書くと、能天気な少年漫画的な展開を期待されるかもしれませんが、登場人物はそれぞれに特殊能力を持つだけでなく、深い背景を持ち、信念を持って行動します。読んでいくごとに明らかになっていく世界観。ときには自暴自棄になりながらも、それでも懸命に生きようとする魅力的な登場人物たち。そして、その登場人物たちが協力し、また、ぶつかり合いながら紡がれていくリアリティ溢れる物語。読めば読むほどに、この物語に、はまってしまうはずです。注意:読んで行けば必然と受け止められるとは思いますが、なろうの小説にしては珍しい鬱展開があります。小説に爽快感のみを求める方には向きませんのでご注意ください。「少年座敷童は女王の卵に恋をする。」「多濡奇(たぬき)」「泉喪(いずも)」なども同じ世界の物語です。