評価:★★★★☆ 4.1
ランリエル王国第一王子サルヴァはその才能を讃えられながらも、初陣において「まったく何もしないまま戦いが終わる」という失態を演じた。しかし、その屈辱により名将と呼ばれる者になってみせると誓いを立てる。
そして今、隣国カルデイ帝国の軍勢が同じく隣国であるベルヴァース王国の王都を陥落させた。
その救援として出陣したサルヴァ王子の前に、各国の名将達がある者は敵として、ある者は友軍として王子の前に立ちふさがる。愚者達の戦記の前。
ランリエル王国とカルデイ帝国との戦いの話です。
話数:全47話
時代:中世
舞台:未登録
雰囲気:シリアス
展開:未登録
この作品は本編よりもっと前の戦いが舞台の外伝ですが、本編と同じぐらい、あるいはそれ以上に面白い作品かもしれません。個人的には二人の名将にクローズアップした本編よりもこちらが好みです。この話は三つの国の将軍を始め、その関係者たちなど、様々な視点から描き出され、それぞれの国の事情や外交、一人一人の背景などを浮き彫りにしていきます。どれほど優秀でも、かならず予定通りにことは進まない。そうした苦境の中でもキャラクターたちは知勇限りを尽くして最善の手を打とうと努力します。本編と同様、そうした人々の戦いが臨場感たっぷりに表現されていて、見て飽きることがありません。「主人公側を無双させることだけがキャラの魅力や能力を表現する手段じゃない」ということを証明してくれる作品です。本編を読まずとも問題ないのですが、是非とも両方読まれることをオススメします!