かいじゅうにっき

子育ては思ってもみないことの連続です。悪意のない幼児に真冬のベランダに締め出されたり、ウォシュレットを操作され個室内を洪水にされたり、台所に米を撒き散らされたり、迷子防止用リュックの紐を振り切って逃走されてしまったりします。心に余裕があれば笑い飛ばせることでも、しんどいと落ち込んだり、子どもをきつく叱ってしまうこともあります。でも、根底にあるのは「あなたが大好き」という気持ち。この「大好き」をたくさん集めたものが、こちらのエッセイです。作品内に登場するるーくんは、知的障害、自閉症、多動傾向あり。大変なことも多い中、るーくんを温かく見守るお母さんの優しさにほろりとなります。子どもの意志を尊重しつつ、安全を確保するために苦心する場面は、子育て中のお母さんに通じる部分もあるのではないでしょうか。かいじゅうとお母さんの日常、きっとあなたも優しい気持ちになれるはず。

知的障害、自閉症、多動傾向のあるるー君と作者様のご家庭で起きたことを、コミカルに描いたエッセイです。健常児でも子育ては大変ですのに、障害を持っているお子さんを育てることはとても大変でしょう。それでもるー君は元気で明るく育っています。作者様やご家族がるー君をとても愛していることがエッセイを通じてわかり、感動を覚えました。作者様はるー君を育てる上で様々なことを考え、手段を講じてきましたので、同じような悩みを抱える人の一助になればと願っています。こんな風にお気楽にやっているんだよ、というところを見てほしいと特に楽しい部分を抜き出して書いていらっしゃいます。是非多くの方に読んで、感動していただきたいエッセイです。