イカレた学者令嬢は最強スナイパー〜騎士様に逃げられたので毒舌奴隷を買いました〜

故郷の王子を救うため、薬草探しの旅に出た薬草学者の主人公。しかし彼女は目的のために手段を選ばない発想の持ち主だった。そんな彼女に買われた、赤髪の男奴隷。ただの主人と奴隷として出会いながらも、次第にお互いを守り守られ、大事に想い合う関係になる。なかなかくっつかないじれったさが、この物語を更に色濃く彩るだろう。

黒を空にあまねく星が照らす。 青い星明りがうねる。 二つの月が見守る星の元、黒は青になり朝の赤をつつんで導く。 時は大航海時代。 魔法は迷信として、神話は古臭いおとぎ話になり人々は剣を持ちつつ銃を握り船板に横たわる。 青血の民を求める令嬢はお転婆娘。 婚約者もドン引きな彼女が買ったのは奴隷。 口の利き方を知らない彼と遠慮を知らない令嬢は通じ合っていく。 助けたい方がいる。逃れられない過去がある。見つけたい未来がある。忌まわしい記憶がある。 告げられない秘密があって、届かない想いがある。 だから手を取る。 手を伸ばし合う。 たとえ涙が阻んでも虹の橋が君たちに見えるはず。 雨はいつか止む。 空は青く澄み渡っていく。 赤い希望が燃えていく。 小さな小枝が幸せの幹になる。 是非ご一読ください。不思議な清涼感と共にフルーツでも如何でしょうか。

青き海の船着き場。男の奴隷がひとり。じゃじゃ馬の麗しき令嬢に買われゆる。分かるかよメル。お前のそのしでかし。いぶせきこの男。それはそうだご尤も。深考なき名付け。赤き頭髪レッドとは。君は逃げたるへっぽこ騎士の代替とか。猛烈さ半端なく。常人の理解を越える。能力あれど大変。仕事はデンジャラス。俄然逃げたるお付きの騎士。思い同然。巧みに説き伏せども恐怖に慄くは当然。理屈なぞ不要。これは死ねること断然。恋の欠片もないコメディタッチな導入。ミステリーばりの数々の謎と伏線あり。それが丁寧に解きほぐされ解けてゆく。とはいえ、この物語。中ほどとなれば。ふたつの月いずる夜もうららかにして。しっかりと甘い展開も用意され。そして独特な世界観。緻密な情景描写。とても心地がよい。読めば不思議と引き込まれる魅力あり。ぜひともご覧あれかし。