評価:★★★★☆ 3.9

 高校二年生も終わりに差しかかる柳川結希は、現実世界での様々なことに悩んでいた。

執拗に自分を求める従兄弟の早見颯真、自分のことを見ていない母、肩書にしか興味を示さないクラスメイト。現実に生きることが嫌になっていた結希は、噂で行方不明者がでると噂される『ワスレジの森』と呼ばれる場所があることを知る。その森は現実と鏡合わせの世界へと通じる歪みが存在する森だった。
 
 結希が飛ばされたウルスタ国は自然ゆたかな国。うっそうとした森と厳しい地形に囲まれ、他国からの侵攻がない平和な国であった。そのためか、他国にはない独自の文化が根付いていた。ウルスタ国には、人間の他にもう一つの種族がいた。それは、人語を操る獣達。『ウヴェーリ』と呼ばれるその者達は人間と共生し、両者が足りない部分を補いあって対等な存在として生きていた。そんな平和と慈愛に満ちた国を統べていたのは、当時の女帝リアーナ。
 
 しかし、彼女の崩御後、即位した元重臣の若き王により国は平和を失っていった。結希はその国で美しい銀色の毛並のウヴェーリと出会い、人間とウヴェーリという種族間の争いへ巻き込まれていく。人間である結希がはじめはウヴェーリに拒絶されながらも、諦めず対話をし、絆を深めていく。
 
 現実世界で多くを諦めてきた結希は、様々な者との絆を感じる中で、諦めたくないものがあるのだと学んでいく。

―-少しずつなにかを諦めてきたあなたに問いかけたい物語。


話数:全64話

登場人物
主人公属性
職業・種族
  • 未登録

時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録