評価:★★★★☆ 3.5
※最新作「灰笛の愚か者は笑う その二」も連載中です!
この世界では人間を食べようとする怪物がいる。
そして彼らを倒すために、人間たちはまるで進化でもするかのようにして「呪い」を作り出した。
呪いに身を染める、人間はそれを魔法使いとよんでいた。
とある冴えない地方都市に暮らすキンシとトゥーイもまた、怪物を殺して日々の糧をえる魔法使いの一つであった。
そこはかとなく殺伐としていながらも、それなりに穏やかそうな日々をすごす若い魔法使いたち。
そこへ、秘密を抱えた二人の兄妹、ルーフとメイが彼らの暮らす地方都市、灰笛へと訪れていた……。
話数:全351話
ジャンル:
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
舞台は工業地帯。 一見スチームパンクを思わせる世界。しかし、その実、魔法が飛び交う中世西欧ファンタジー風の世界。と思いきや、列車やポスターなどの現代の大道具・小道具が跋扈する現代世界でもある。 先入観を捨てた時、初めて、浮かび上がる世界観、灰色ではあるが、どこかしらセピア色の温かみを感じさせる情景に己を浸すことができる。 世界観にマッチした登場人物。 元気で活発な主人公を中心に据え、童話から抜け出してきたかのような、それでいてどこかしら斬新な、実に様々な姿形のキャラを配する。悪役すら可愛らしさを持っているのだ。 この作品は、独自に構築された未知の世界に、読者が主人公とは異なる立ち位置で潜り込み、主人公を初めとする登場人物たちの生き生きとした日常をリアルに体験し、世界を冒険できる不思議な物語である。
不思議な感覚です、自分自身も小説を書いていますが表現力に嫉妬すら覚えるほど見事な演出でした。最近シンプルなストーリーに慣れていたのでこの独特な世界観に引き込まれてしまいました、しかし、本来物語、小説とは誰もがわかるストーリーではなく、読む人によって違う色合いが見えてくるもの。想像力を刺激する見事な作品です、中毒になってしまう人続出になる予感大!!
独特の世界観が丁寧な文章で紡がれる異世界ファンタジーです。その情景が瞼の裏に浮かぶような、丁寧で詳細でありながら繊細な文章と、個性的なキャラクターの数々……読みやすくて、この不思議な世界観にすぐ引き込まれてしまいました。まさしく異世界ファンタジーとは、こういう作品のことを言うのでしょう。一話一話も長くなく、くどくなく、誰が読んでも楽しむことができるでしょう!
丁寧な情景の描写が素晴らしい作品。作者が確固たる世界観を基に描いていることが伺える。激しさはないが、どこか退廃的な雰囲気を持つ街の空気に、読者が溶け込まされていくような雰囲気がある。会話のテンポが心地よく、くすりと笑える部分もある。私としては、軽やかな雰囲気とは裏腹に登場人物たちの服装や周囲の景色に重厚感があるのがとても好みで、うまい具合にバランスが取れていると思う。
凝ってはいるものの、凝りすぎて小説に入り込みにくい、ということもなくとても読みやすい作品。世界観は美しいの一言に限る。不思議な世界観を丁寧に描写しているので、イメージしやすく目をつむるとまぶたの裏に、灰笛の都市が浮かぶくらいには世界観に入り込むことができる。会話のテンポも良く読み進めやすい。この後どのように進んでいくのだろうとわくわくする作品。一度読んでみることをオススメします。
作中の風景で当たり前のことを述べている場面もあれば、少し難しく頭をひねる場面もある。しかし理解するのにそこまでの時間は必要ない。理解してしまえば、違和感なく強く簡単にイメージできてしまう。キャラのセリフはハッキリといって印象強くはない。でもそのキャラの印象は読み進めていくたびに強くハッキリと頭に残っていく。話によっては少し戻って、ついここにあった展開について考えたくなる。とても読みやすく、一話一話の物語自体もそこまで長くない。とても不思議で、どういった展開になるのか分からないその面白さにあなたは必ず引き込まれるだろう。
かのロゼッタストーンのようにそれまで解読不可能だった文字も、こうして理解できる世界はこの文書をどう思うか?残酷?不思議?確かに不思議だ。架空のものでありながらもどこか我々と似たようなものを感じる。いざ皆もこの解読された文献と邂逅せよ魔法と幻想、湿気に覆われて霧に隠れていた真実をやっと知る時が来た。集え小説の信徒よ
この物語を読んでいくと、まず目の前にもくもくとした白い蒸気と、広大な街並みが現れる。 そして、何とも言えない重厚感と、いつまでも浸っていたい穏やかさを与えくれるのだ。 文章力もさることながら、何と言っても世界観が美しい。 機械の力と魔法の力が合わさった不思議な街『灰笛』。 そこで繰り広げられる人々のドラマの全てに、酔いしれると言っても過言ではない。 そして、この世界で生きる登場人物たちは、時に残酷で、それでいて、朝日のように美しいものを秘めている。 それが早く明らかにされることを願わずにはいられない。 美しくも、謎めいた素敵な物語。是非あなたもご堪能あれ。