おとうさんと一緒〜子連れ異世界旅日記《嫁探し編》〜

とある日本の日常の一コマ。ごく普通に暮らしていた家族は、意味も分からず異世界へと転移してしまう。そこは、獣の耳を持つ言葉が通じない人々が暮らす世界。主人公の父親ヒロトと、小学生の男の子ハルとまだ三歳の女の子ハナが共に転移したのだが、ヒロトの妻であり二人の母であるナナミだけ逸れてしまう。意味の分からない状況ながら、それでも子ども達の母親を捜す決意をするヒロト。そこから、全く情報の無い異世界での、彼らの生活と冒険が始まる。多くの人々の助けを借りながら、ヒロトを含めた人間的に成長する様が読者を引き込みます。よくあるチート能力など皆無。それでも、ヒロトが日本の生活で培った能力と知識を用いながら、子ども二人と共に生き抜く様子に、つい声援を送りたくなります。久々に読み込んだヒューマンドラマでした。是非この世界に浸って欲しいです。

題名の通りの転移モノ。耳と尻尾の生えた人たちが住む世界で主人公はお金を稼いだり、子供に癒されたり、身体を鍛えたり、禁煙したりする。ほぼ日本のお父さんと同じだ。なぜなら主人公家族は何の異能もない普通の日本人だから。逆チートのお父さんは結構苦労する（言葉も通じない）。苦労しながら、生き別れの嫁探しを諦めない。お金を貯め、危険を承知の上で子供を連れて旅に出る。普通のお父さんの生活に、異世界の美しい自然、ちょっと変わった動植物、荒野の一軒家でのスローライフ、狩りやキャラバンでの旅、多くのスパイスが加えられていく。序章はテンポも悪く素人臭い。1章、2章と進むうちに、おや？うん、ほほう！と引き込まれて行く。最初の数話で投げ出さず、ぜひ最新話まで読んで欲しい。今後の展開で、主人公家族にいつ耳が生えてくるのか、どんな動物になるのか。個人的に楽しみにしている。

というあなた！この作品はその期待を裏切らないこと請け合いです！主人公（お父さん）の優しさ、葛藤、動揺などの心情風景が丁寧に書かれ、まるで主人公の傍らにいる気分になります。そして出てくる他のキャラの心根の優しさも、またたまらないのです。これは作者様の優しさがにじみ出ているのでしょうか？間違いなくほっこり気分になります！異世界ならではの多種多様な人々との出会いやふれあいに、時にドキドキし、時に笑い、そして優しさに癒されます。そしてお父さんや息子たちの成長にワクワクするのです。物語はいよいよ佳境となっているようですが、もっともっと読みたくなるのは僕だけでしょうか？まだ間に合います！リアルタイムで彼らと旅に出てみませんか？