二度目の人生は、幸せに

婚約者を奪われた公爵令嬢が、男爵令嬢を毒殺しようとして失敗。その罪によって、婚約解消から監禁コースに入り……病没。気が付いた時にはなぜか、記憶を保持したまま幼少期に戻っていた。乙女ゲー世界ではあるようですが、主人公にその認識はなく。一度目の失敗を繰り返さないよう、慎重に、今度こそ幸せになるために行動する話です。後半で他のキャラ視点のエピソードもあり、情報が補完されてますね。若さゆえの過ちというには、王侯貴族として負うものが大きすぎた。二度目の世界では、幸せになった人が増えている、ハッピーエンドの物語。

極上のハッピーエンディングをお求めの方オススメの一冊です。ヒロインの男爵令嬢マリーに毒を盛った罪により監禁され失意の中で死んだはずの悪役令嬢ミルシェ。これは彼女が過去に戻り「二度目」の人生を幸せにやり直す物語。悪役令嬢モノとしての面白さは、もちろんですが真骨頂はラスト+番外編にある作品だと思います。それまでミルシェ視点で語られていた物語が、ある人物の視点となるラスト。それを読んだ時、そして作品を読み返した時、この作品からはまた別の物語が見えてきます。そして「二度目の人生は、幸せに」という題名の深い意味に気づかされるでしょう。また番外編では、人生のやり直しが発生した理由とミルシェが過去の罪に罪悪感をしっかり向き合っているシーンがあります。読者が気になる部分についてもおざなりにされず、きちんと書かれているので読後が爽やかです。ぜひ彼女達の人生を貴方の目でお確かめ下さい。