評価:★★★☆☆ 3.4
悪が潰え、ヒーローだけが残った近未来。行き場を失い、力の矛先を一般市民に向けるようになった世界で、そんな彼らに鉄槌を下すべく、一人のアウトローが立ち上がる!!
……というのは全くの嘘ではないが、ここで主として語られるのは、その話を『紡ぐ』ひとびとのおはなし。
死を選ぶと書置きし、行方不明となった彼女に『完結させてほしい』と託された、如何にも売れ無さそうなヒーロー小説。
あいつは何故そんなことを? 真実を知るべく、男・雑葉大(ざっぱまさる)は、かつて自らが綴ったその小説を代筆(ゴースト・ライト)することに――。
話数:全30話
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
特撮風のヒーローノベルというのはそれなりに見かけるのかな? とは思いますが、特撮風ヒーローノベルを、マイノリティだとわかっていながら「うるせえこれが好きなんだ!」と作ってる連中を描いた作品というのは小説×特撮ヒーローとしては新しい切り口なのかな? と個人的に。どいつもこいつも応援したくなる奴らばっかりで、うまくいかない現実、キツい仕事、恋愛等普遍的な問題にぶつかりながらもなんとかしぶとくやっていく奴らの物語です。これはノンフィクションに近いフィクション、奇跡の逆転もなければ劇的な絶望があるわけでもありません。でもこれはキツい、でも頑張って行こう、そういう話なのかなと思います。愛すべきマイノリティとそれを取り巻く面白い奴らの物語……このレビュー内の単語に一つでも引っかかるものがある方は是非ご一読を。雑葉大達にちょっとだけでもいいので声援を。