評価:★★★★☆ 3.6
竜のいる世界、イディン。
ラスタバン王国の都ティムリアの港で陸に上がったシーリア(海の民)の若者アシェルは、王宮付き調達人として、親方エナムス、仲介人元締カラックと共に食材調達の旅に出る。
背後で国家間陰謀が動き出す中、竜との出会いが彼らの運命を大きく変え、長閑な旅は、次第に不穏な空気を帯びて行く。目的地の隣国に着いた時、ついに大きな事件が――
大体近世あたりの文化水準で、魔法は無いですが、空中船やら機械兵などが出てくる摩訶不思議な世界。登場人物がほとんどオヤジというハードファンタジー。●後日談「竜石の一日」追加掲載
(初出:2010/7GREEサイト内コミュ電メ名義より転載・2011/5エブリスタ・ヒラK名同)
話数:全38話
ジャンル:異世界ファンタジー
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:残酷な描写あり
まず、給仕が主人公であること。これが何よりも私の心を惹きました。給仕の仕事は調理や配膳などはもちろんのこと、食料の調達も重要な仕事です。食料調達の旅の中にちりばめられたたくさんの出会い、別れ、過去との邂逅、人間ドラマ。そしてその背景を飾るのは、竜に守られた美しい世界。もちろん給仕のお話とあって、食材や料理(どれもこのお話オリジナルのもの)の情報満載です。ベオル酒、私も飲みたいです(笑)夢中になって読んだ小説って、人間関係とか地図とか、苦労しなくても自然と頭に全部入ってしまいすよね。私にとってのこの小説は、まさにそんな存在です。