評価:★★★★☆ 4.2
真白菜月は書痴気味の中学三年生。
この一年、雨宮広慈の書いた一冊の本だけを繰り返し読み続けていた。
作者の病死のために完全とはとても言えない物語だったが、ところどころ欠けたかたちを、菜月は何より愛している。
中でも、解決されないままの三つの伏線は、菜月をどうしようもなく魅了した。
梔子の谷。
沈丁花の館。
金木犀の丘。勇者がたどることのなかった旅路。
そこでどんなお話が広がることになっていたのか。菜月は、いつもこう願っていた。
「わたしがそれを見られたらいいのに」
──その願いは、唐突に叶うことになる。
話数:全23話
ジャンル:アドベンチャー
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
ジョブナイル系が好きな人に特におすすめできると思います。はてしない物語とか、オズの魔法使い、モモ……は少し違うかもですが、そういう お話 系の文章が好きな人はぜひ読んでみてください。なろうの主流や流行ではないかもしれませんが、きちんとお話が練られているので読んでいて退屈はしないでしょう。書いている人が、本当に本が好きなんだなぁと感じます。また今後の展開が気になります。