評価:★★★★☆ 4.3
【講談社レジェンドノベルス様より第1巻・第2巻発売中】 ドラゴンデーモンRPG……鬼のような難易度と理不尽極まるシステムでもって「マゾゲー」と愛されるタイトルである。ゲーム実況者・いもでんぷんは、そのDX版を購入、実況動画を撮り始めるが―――それが異世界における熾烈な最終戦争への介入であることを、気づいてもいない。
話数:全108話
ジャンル:エピック・ファンタジー
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:残酷な描写あり
いやはや、ここまで熱くなれる物語はそうありません。熱すぎて手に持つスマホがびしょ濡れになってしまいました。主に私の汗で。マラソンランナーをも思わせるこの様相が、たった一つの小説に起因するのですから驚きです。読破直後にこのレビューをしたためているのですが、未だ興奮冷めやまず、手が震えているのが現状です。作者様の才能を恐ろしく思います。豊富な知識に裏付けられた世界観と類まれな文才とが禁断のコラボレーションを催してしまったのが本作。彼ら彼女らの咆哮が、直接心に響きます。これ、読む覚醒剤ですよ、ホントに……。胸に広がる爽快感、ジンとした幸福感。素敵な物語を、ありがとう。P.S. サチケルちゃんかわいい。デ・アレカシ。
初めは在り来りなフルダイブ物かな…と、思った。しかし、それが誤りだとすぐに気づく。ヒロインは農奴。世界でも最弱に類する彼女は、「神」たる主人公によって…初め遊び半分に、中盤には懐疑的に、最後には猛き炎の如き想いによって強くなっていく。ご都合主義?そんな救いなど微塵もない。暗く、辛い絶望的な戦いの果てに彼女は、「彼」は何を見るのか?それは貴方が確かめて欲しい。レビュー風情が語るには、重厚に過ぎる物語の結末を。
久方ぶりに胸が熱くなる文章を読みました。作者の熱を感じる素晴らしい作品です。設定もさる事ながら、登場人物に一切の無駄がなく、また、虐げたれた人々の叫びが本当に聴こえて来そうな感覚を体験出来ます。約100話の話の中に、これ程、心に響く流れをよくぞ創ったと感心しきりです。引き続きこの様な作品を期待しています。
テンプレな導入は主人公いもでんぷん氏のオンラインゲーム三昧な引きこもり生活です。しばらく読み進むうちに息をすることを忘れそうになるほどの緊張感にあふれた戦記物語があふれ出してきます。こちらの少し怠くて変な日常生活とあちらの死力を尽くした生き残るための戦いと祈り、それらが刻む様に交互に切り替わりながら綴られていきます。使徒はもちろん一兵卒に至るまで、ギリギリまで無駄の削ぎ落とされた言葉で異世界の人物が活き々々と描かれます。ヒトの在り方とは神とは何なのかという命題にも切り込む意欲作です。デアレカシ。
作者さん、投稿いつもお疲れ様です。どうしても作者様を応援させて頂きたいと思い、初レビューさせていただきます。それほどまでに、この作品が私は好きです。応援しております。抽象的な表現の仕方や、細やかな描写や心情、物語の進め方、視点の変わるタイミングなど、全てが素敵だと思います。また、引き継がれる思いにとても引き込まれます。作者さん、いつも更新お疲れ様です。
ゲームの攻略だと気合いを入れてプレイしていたが実は…?登場人物たちの視点で描かれていく物語。物語の内容は壮大だが、そういった作品にありがちな一極集中型ではなく全ての登場人物が主役となっている。加護や祝福というゲーム要素が盛り込まれているが、歴史物語のような感覚で読める。構成や進行のテンポが素晴らしく、作者の細かい気配りが見て取れる。生きること。その素晴らしさと難しさを、闘うことで表現していく登場人物たちに胸が熱くなる。現代(現世界)側の損得勘定を含んだ、いかにも人間くさい言葉や行動。ゲーム内(異世界)側の生命の為に突き進む生物として純粋な言葉や行動。その正反対さを設定として盛り込み、描き切る作者の感覚と努力が素敵。物語の設定と文章だけでも読むべき作品。その上に物語を彩る心踊る様々な要素と、それをまとめる細かな努力をしてくれる作者。この作品に出会えてよかった。
この世界の主役は人間という種族ではない人間は猫や犬のように気分次第で弄ばれ牛や豚のように食料とされる種族。加護や祝福を与え救ってくれる神様も人間には居てくれなくて人間という種族に対して好意も憎悪も向けられず理不尽に殺され理不尽に食べられてしまう世界この世界の主役はエルフとヴァンパイア。人間が絶滅していないのはエルフとヴァンパイアの神様の都合で人間の尊厳も意思も何も関係していない。王侯貴族は饗宴で恐怖を紛らわせ平民は飢えて次々に死んでいく人間の神様が居ないことを人間が理解している世界これはそんな人間という種族が蹂躙され続けるだけの世界へと逆襲していく物語愛玩動物だとしか見ていなかった種族も食料だとしか見ていなかった種族もすべてを巻き込んで人間という種族も「人類」なんだと世界の主役へと至るための物語
“ゲーム実況していたと思ったら「神」として異世界戦争の行く末を大きく変えることになった――というのが本作の骨子です。””神””自身はそのことに気づかず。しかし、””使徒””にして””操作キャラ””な、もう一人の主人公たる少女は、そんな””神””からの啓示(スキル上げetc)」を愚直不乱に守り、己を鍛え、人間が餌や家畜として虐げられる世界の最底辺で、来たる戦いの時に備えてきました。彼女の灼とした覚悟と、天を回し命運を革めんとする英雄的奮戦は、滅びを定められていたはずの人間達の行く末を大きく変えていきますが――。合間合間で主人公が、我々読者を動画視聴者に見立て、物語舞台の知識や雑学・世界観を軽妙に語り聞かせてくれます。メリハリがあり爽やかなほどに引き込まれるような作者様の文章力は折り紙付きなので、ご安心してお楽しみあれ。”
是非一度読んでみて下さい!滅茶苦茶感動しました!虐げられた人間が希望を持って絶望に立ち向かう!その生き様に惚れ惚れします!戦記物が好きな人におすすめしたい作品です!世界観などの設定も新鮮で読んでいて飽きない物語です!何を読もうか迷っている方は、読んで見て後悔しないと思います!初レビューでして拙い文章ですみませんm(_ _)m
この作品は2つの視点で語られる。1つは神へ全てを捧げた少女と付き従う民達の、悲劇に耐えながら懸命に抗う戦記。もう1つはマゾゲー実況者いもでんぷんが睡眠と排尿に耐えながら懸命にポチポチする遊戯。この落差が堪らない。最初に見たときは、衝撃的な設定にこれが神かと思ったほどだ。残念ながら「神=いもでんぷん」だったが。しかし、このでんぷんはただの炭水化物ではない。経験を活かした知識と神業のポチポチにより、選ばれし少女は怪しげに踊りながら鍛え上げられる。敵を屠る神々しい剣さばきに神の奇跡を感じ、やがて人々は率いられていく。ああ、幸いなるかな。神は人を見捨てていなかった。人の祈りは届いたのだ。反撃はここから始まるのだ。進め人よ。例え傍から見たらピョコピョコ踊りながら少女を追いかけ回すおっさん集団だとしても。シリアスもコメディも全力だから面白い。少女クロイと鬼神いもでんぷんの活躍をご覧あれ。