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あなたの恨み、必ず晴らしてみせます。
御用命は【黒い子猫】まで。策略を巡らし、同僚の恋人を奪略した挙げ句、結婚まで漕ぎ着けた女。
『いいね』のためなら何でもする、傍若無人の大人気ブロガー三人組。
僕の祖父は警察の偉い人だ、とクラスの頂点に君臨する少年。三者三様、間を置かずしてそれぞれ広島県内各地で、遺体となって発見される。
彼らに共通していたのは、猫のイラストが描かれた一枚の真っ黒なハガキが届いたこと。
法律とは、真の正義とは。
悩みながら自分なりの答えを導き出す警察官達の物語。ファザコン中年刑事とシスコン男子高校生の愉快な非日常シリーズ10作目です。
@成宮りん2019.
この小説に掲載されている写真、イラスト、文章の著作権は作者成宮りんに帰属いたします。許可なく無断転載、使用、販売を禁止します。
話数:全177話
ジャンル:
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
捜査とは数少ない手掛かりを一つ一つ丁寧に調べ上げ、点と点を繋いで線にして行く地道な作業とも言えます。そして点が線で繋がった時、私は何とも言えない快感を覚えるのです。「整った」とでも言いましょうか、その整いの連続がモチベーションとなり、事件解決へ向け更に背中を押してくれるのです。しかし今回の事件はいつもと少し違いました。結婚式当日、新郎はおろか招待客すら現れない会場。続く新婦の事故死。私は事故死と断定するには早計と判断し、事件性が高いとみて密かに調べ始めました。いつもと違ったのは強力なパートナーを得て捜査に当たった点もあります。少し変わっ……いや、面白い人ではありますが、やはり一人で捜査するよりアイデアも増えますし、何より人脈が広がったおかげで次々と事件が「整って」行くのです。根深い事件が一つ一つ「整う」サスペンス。この「整う」快感、皆様も是非ご堪能ください。
この作品、いい意味で無茶苦茶なんです。凄く引き込まれていくと、いきなり御預けを食らう感じなんです。本来ならば、シリアスで命をかけて日々の日常を守る刑事達が主人公の筈だが……本編をドキドキしながら読み進めると、箸休めのように癒しがあり、現実と非現実が混じった不思議な感覚が癖になると言うか、既に病みつきになります。大切なメッセージが浮上した際に現れるお茶目な一文についつい『なんでだよ!』って笑いながら突っ込んでしまう一面が本当に味わいぶかく、シリアスな内容は時にドキドキを誘い、空気が針積めた瞬間の独創的なストーリーの運びは次に次にと興奮させるだろう。多くの運命が重なる瞬間に真実と偽りが混ざりあう、その先に待つ事実は真実よりも重たいものがあるだろう。人生の絶望と希望が紙一重であるように、この物語は隠された両面を垣間見る事になる。思考の先に紡がれる世界が此処にある。
盛大に行われる結婚披露宴、のはずだった。新郎不在、出席者はドタキャン、残された新婦は謎の転落死。果たして事故か、自殺か、それとも―――広島を舞台に次々と巻き起こる奇妙な「事故死」。そこにはいつも黒い子猫のカードがあった。不吉の闇サイトからの殺害予告が、今夜もクズどもに鉄槌を下す。あなたの恨み、必ず晴らしてみせます。御用命は【黒い子猫】まで。「あの子には誰よりも生きる価値が、幸せになる権利があったのよ?!」はたしてその言葉は真実なりや!?捜査1課強行犯係、出動―――
∀・)こんばんわ!刑事モノのドラマだったら皆さん何が好きですか?ボクは結構「Mozu」にハマってましたね。西島さんが好きというか、あのドラマの雰囲気が好きっていうのがあって。実は映画のほうはまだ観てないんですよ。ドラマを全く観なかった親父が何故か観てるんですけど……そろそろ本題に入りましょうか?∀・)はい、毎度ながらすいません(笑)こちらお馴染み成宮りん様のファザコンシスコン・シリーズなんですが、こちらの作品の特徴は「刑事ドラマ」より「警察ドラマ」なところなんですよね。それだけ警察というものを忠実に描かれているトコなんです。そのうえで主要人物にあたる脚光が美しく、優れたエンタメ性も兼ね備えてます。もはやドラマ!是非とも堪能してください!!周くんの心の動きに注目です!!
無念は人の中に澱のように溜まっていく。本人が忘れたと思っても無駄だ。何かにつけ、ふと頭をもたげてくる思い。 それを表に出してはいけないと誰もが思う。ただ、それは理性の産物に過ぎない。感情はそれを許さない。もどかしい思いを人の中に募らせる。 そんな時に悪魔が囁く。その思いは間違っていない、と。 しかし、法治国家である日本には法の番人が存在する。その名は警察官。 彼らの信じる正しさと、無念から生まれた思いが対峙する。勝るのは秩序か感情か? その結果をあなたは知りたくありませんか? そして勝利者の胸にあるのも、また無念……。
なにも主人公に的を絞るだけが小説じゃないと思う。登場する個人個人に生き様(ドラマ)があるのだから。刑事ドラマならばこその展開の中に、見え隠れする犯人達の狂気。でも、犯罪に至るまでの心の葛藤はどう描かれる?この小説の良い処は、犯人像を奥行きのある心情と共に紹介し、警察官である主人公達と絡めた手法だろう。誰だって生まれは選べない・・・だから?凶行が被害者に及んだ経緯から推察していく推理部分と、身の回りに起きる何気ない生活から引き起こされる事件。ありふれた人間模様と犯行が絡みつき、やがては大きなうねりとなって姿を現す。シリーズ連載物として早、10作に及ぶ。各部に散らされたエピソードに、ニヤリと細く笑むかもしれない。各部に散らばめられた挿絵にも和まされる。作者の猫愛が籠った本作、是非ご賞味戴きたい。「犯人(読むの)はあなたニャッ!」
藤江周は警察学校で訓練を受ける、新米巡査だ。目標は、自分を救ってくれた刑事和泉の相棒になること。けれど新たに警察学校に赴任してきた教官は、悪徳と代名詞がつくほど横暴で、新米巡査一同をいじめるのを楽しむ人間で、周も標的にされてしまうーー一方和泉の方も、面倒な事件に巻き込まれていた。黒い猫のハガキが届く人物はみな不審な死を遂げる。捜査線上に、法のもとに裁けない悪に手を下す組織が浮上する。『あなたの恨み晴らします』周は無事警察学校を卒業できるのか、和泉の関わる事件は解決するのか、手に汗握る展開の連続。ページを繰る手が止まらないミステリーです。