評価:★★★★☆ 4.2
北京の大学で教鞭をとっている青年が中国茶の問屋街で日本から来た留学生と出会った。
彼女は彼と同じように中国の歴史と中国茶が好きだった。
春に出会い、春に別れ、それでも彼女を想う。安定のハッピーエンド仕様(笑) 作者の趣味満載の物語です。
2000年頃の話です。※ルビのカタカナ表記はできるだけ近い音にしていますが、基本中国語は日本語にない音がほとんどなので参考程度でお願いします。
アルファポリスが初出です。こちらは修正した物を上げています。
話数:全60話
ジャンル:現実世界恋愛
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
注意:R15
舞台の大半は中国です(少し、日本も出てきますが)。そのせいか、様々な事象が、ゆっくりと歩を進めて行くような感を受けます。そんな中でも、ゆっくりながら、時は流れ、節目節目のイベントが、作者の方の豊富な知識をボックボーンに展開されて行きます。そういった背景の下の、ピュアな二人の恋愛は、周りの人たちの温かい目に見守られながら、やはり、ゆっくりと進んでいきます。60項目の小説を読んでいるうちに、きっと貴方も、中国の大地に立ち、二人の恋愛に共感を覚えて行く。そんな感覚が味わえると思います。
恋愛小説です。そしてページを読み進めるたび、お茶についての様々が語られていきます。語られる知識はかなりの量ですが、読みやすい形にまとめられているため、お茶の知識を味わいながら本筋である恋愛に入り浸ることができます。それと、特筆すべきは心理描写の軽妙さ。主人公の内心にぐぃっと入り込むことができます。女性への贈り物を思い悩む主人公に一抹のもどかしさを覚えつつ、「そうだよね」と共感してしまう――そんな共感力がすごい作品です。物語の舞台は今より少し昔です。当時の情勢等を織り交ぜた丁寧な描写が、作中世界に入り込むアシストをしてくれます。丁寧にいれたお茶の味のように、甘く、そして深い作品です。