評価:★★★★☆ 4.1
二次元中毒者で三次元(現実)嫌いの主人公は、幼なじみとしかまともに会話をせず、閉じられた、しかし幸せな日常を送っていた。
そんな中、彼を悩ませる記憶障害と思い出の少女。さらには、次々にエンカウントする個性的な少女たち。
まるでギャルゲー? しかしここは残念ながら現実であり、彼女たちは彼の苦手な三次元である。
現実から逃げ回る彼の、行く末とは――――?
積み上げられた全ての伏線が、ジェンガを一気に崩すような破壊と、そして再生の物語に結実する【ラブコメ奇書】。
約12万文字で完結。
文庫一冊の長さでどこまで至れるか?
*伏線が多いため一気読みを推奨しますm(__)m
雰囲気:シリアス
展開:未登録
その他要素
注意:全年齢対象
わたしはこの小説を読んだ後の率直な感想として「作者はもしかしてプロ?」と疑いました。本人からは否定されましたが、それほどにヒロインの個性の出し方と設定の生かし方が他作より数歩抜けているのです。ヒロインは五人いますが、名前も個性もけして忘れることができません。見事な書き分け。シナリオは道中で一気に温度が変わり、そのまま息もつかせずラストまで。まるでハリウッドのヒューマンドラマを観ているよう。とにかくガジェットがうまい。伏線が非常にうまい。テーマがある。読者の明日に続く物語です。「死ぬまでに読みたい作品」はいくつかありますが、この作品はそのうちの一つである、と心からお勧めします。なお、好きはヒロインは尋です。前半の彼女は一緒に遊んだら絶対面白い相手だし、後半の彼女とは隠れ家居酒屋で一献かわしたい(笑)どうです。みなさんもまずは、尋に会ってみませんか?
リアルの女の子が嫌いな上に、対人恐怖症で二次元の美少女が好きな北原 悠樹(きたはら ゆうき)は、「世話焼かせの幼なじみ」である雪島 尋(ゆきしま ひろ)としかマトモに話さない日々を送っていました。 そんな悠樹は、個性的な複数の3次元ヒロイン達と、選択肢をセレクトし、まるでギャルゲーをプレイするかの様に、彼女たちと親しくなっていくのでした。 ストーリーが進んで行く事に、物語の伏線が一つずつ回収されていきます。読むごとに明らかになっていく謎や、新事実。 皆さんもぜひ、悠樹とヒロイン達の結末を見届けて上げて下さいね。
当作品は、序盤は一見して退屈な学園生活を、二次元好きな主人公や個性的なヒロインを中心に描いた学園ものと思われるだろう。しかし、中盤から終盤にかけて、一見して無駄とも思える設定、描写が重大な意味を持つことに気が付き、それらが回収されながら物語が進む様子に、きっと感心しっぱなしになるだろう。 それだけでなく、実際に起こり得るとある問題についても問題提起されており、非常に考えさせられる内容となっている。是非とも設定や言葉の一つ一つの意味にも注目して読み進めてもらいたい。 あらすじにもある通り、読む際は一気に最後まで読むことをお勧めする。美しく回収されていく伏線に、ページを進める手が止まらなくなるはずである。
物語のネタバレを避けつつ……自分は連載の途中から読み始めたのですが、この時点で先が全く見えない中でも個性的なキャラクター達が次々に現れて次は一体どうなるんだろう?とワクワクしながら楽しんでいましたが……後半になってからは怒涛の展開で物語が組み上がっていき、次々に伏線が回収されていく様は見事としか言い様がありません!!思わず、最初から読み直してしまったほどです。これから読み始める方には、ちょくちょく隙間を見つけて読む、というより時間を作って一気読みをすることをお勧めしたい作品です
まさしく”人”を描いた作品。二次元オタクで対人恐怖症持ちな高校生【北原悠樹】、長身寝癖の幼なじみの【雪島尋】、それに三代変人を加えた個性的なキャラクター達が物語を彩り、とあるギャルゲーのヒロインにそっくりな少女と遭遇してから、物語は始まっていく。選択肢を想定し、考察とともに行動を選択する”ゲームのようなスタイル”で進んでいきます。魅力的な台詞回し、溢れんばかりのメッセージ性が待ち構えています。四日目・木曜日辺りから、話が一気に変わっていきます。散りばめられた伏線が、繋がっていく感覚は最高と言えるでしょう。是非とも、クライマックス部分まで読み進めていただきたい。終盤の盛り上がり具合は、必見です。