評価:★★★★☆ 4
島田颯斗はサッカー選手を目指す、普通の中学二年生。
しかし突然 病に襲われ、家族と離れて一人で入院することに。中学二年生という多感な時期の殆どを病院で過ごした少年の、闘病の熾烈さと人との触れ合いを描いた、リアルを追求した物語です。
※闘病中の方、またその家族の方には不快な思いをさせる表現が混ざるかもしれません。了承出来ない方はブラウザバックお願いします。
アルファポリスにて重複投稿しています。
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
注意:R15
本作の主人公は中学生の男の子。サッカーが大好きで友だちも彼女もいる、将来の夢もある明るい男の子だ。そんな彼を病が襲う。にぎやかな学校生活から一転、男の子は病院から出られない体になった。サッカーをするどころか、治療のための薬で体はぼろぼろになっていく。それでも男の子は諦めない。ときにくじけ、弱音を吐き、涙を流しもするけれど、家族が、友人が、医師や看護師たちが、男の子のいる未来を望み、そして男の子もまたみんなといる未来を願って戦う。彼らの思いを、顔もわからないドナーが未来につなぐ。そこに便利な魔法はない。ただ、ひたむきに生きようとする命があり、それを支えようとするたくさんの命があり。助かる命があり、ときには途切れてしまう命もある。けれどそこで終わらない。つながれた命を大切に生き、途切れた命を想い胸に抱いて生き。そうやって未来に命が続く、それこそが奇跡なのだ、と。
白血病。現代では不治の病ではない。だがまだ、患者の100%が完治できない難しい病気。治療も楽なものはひとつもない。副作用に悩まされる日々。辛い。でもその先には未来がある。希望は、たくさんの人の手を経て君に届く。看護師、ドクター、家族、親友、恋人、チームメイト、クラスメイト、病棟の仲間、掃除のおばちゃん、院内保育士、院内学級の先生、移植コーディネーター、そして、ドナー。本作ではこれだけの人々が主人公に関わる。主人公に生きてと願い、伝える。笑いながら、泣きながら、怒りながら。穏やかに、朗らかに、ときにツッこみ。心の支えが折れた時、主人公を掬い上げたのは、そのたくさんの、たくさんの思い。そしていつか、主人公は誰かの希望になり、その誰かの支えのひとつになるのだろう。君よ未来を欲張れ再び大地に立つために
タイトルからして、重い話だろうなあ、と思った。覚悟して読んだ。けど、こんなん、もう無理。涙が出る。白血病の闘病記。そりゃあ、辛いよ。まだ中学二年生だもん。同じくらいの息子がいるんだもの。重ねてしまうよ。だけどさ、それだけじゃないんだよ。主人公は明るいサッカー少年。辛い治療にも弱音を吐かない。同じ小児病棟に入院している子たちだって、小さくても戦ってる。支える家族だって大変だよ。辛いよ。でも、頑張ってる。生きたいから。生きて欲しいから。だから耐える。時には涙も出る。弱音だって、恐怖だって。それでも生きる為に。その姿に、気持ちに、私は泣いてしまった。同時に勇気と優しさをもらった。辛いだけじゃないって、教えてくれた。闘病している人も、そうじゃない人も読んで欲しい。前を向く力をくれるから……!
病と闘うとは何なのか…。この作品はなにを訴えているのか考えさせられる…。目の前には未来の光が灯り始めた少年少年の未来は突然光を奪われる。病だ。少年を襲う苦しみは病からだけじゃなく、心が悲鳴を上げる苦しみそれも闇を広げていく。あなたが突然病にかかったら…家族との絆、周りへの影響考えさせられる作品にして、現在闘病されてる方々へのエールでもある。闘う勇気も見守る勇気もただの闘病記ではない!!今も闘うあなたの元に届いて欲しい一冊!!そうあなたへのエールでもあるのです。
自分は何故生きているのだろうか。誰もが一度は疑問に思うことだろう。生まれた事に大した意味はない。だが、人生をどのように生きるかは自由だ。この彼の様に。彼こと颯斗は中学二年。サッカーで成績を残し、彼女もできた。人生にいくつかある絶頂期。そんな時期に彼は白血病になってしまう。まだ十三歳の彼は、人生の岐路に差し掛かる。そして決めなければならない。今後の人生を。そして彼は生を選んだ。病気の知識など無い。治療方法も知らない。だが彼は、将来の為に、決めなければならない事を、前向きに考えるのだ。彼は独りで戦う訳ではない。家族と、同じ病気で闘っている人たちと共に、だ。治療方法や病院内での様子は現実に即した物であり、現在闘病されている方には辛いかもしれない。だが治って退院した時には、是非読んで欲しい。辛かった治療の思い出と、生きるという喜びと共に。