評価:★★★★☆ 4.1
ココアは花と本を読むことが好きな都内の学校に通う病気と闘う小学生。
ある日、ココアの前に夢を叶えると言う、うさぎのぬいぐるみのような生き物をしたワンダーラビリットの住人〝ぴぴ〟が現れる。
夢を叶えると言っても『カラット』と呼ばれる水晶のようなガラス玉を7つ集めなければならないとのこと、それを集めるにはどうやら見つけなければ手に入らない事を〝ぴぴ〟に言われるが、病気のココアは身体を疲れさせることを禁止されているため、放課後友達と遊ぶことはおろか、運動も学校の体育でさえもすることができない。
〝ぴぴ〟との契約でココアは自分の魂と〝ぴぴ〟の魂を一時的に融合する変身をすることで自らの病気の肉体と離れ、自由に身体を動かすことは出来ることになったが『カラット』はそう易々と手に入るものではなく、『カラット』には本物と偽物があったり、地上に落ち穢れを集めてしまうと暴走してしまうものがあるようだ。
時には数々の困難を乗り越え、時にはワンダーラビリットに行ったり、時には沢山の出会いの中で、ココアは『カラット』を集めて、自分の夢を叶えることが出来るのか?
ココアと〝ぴぴ〟と一緒に沢山の愛に触れてみませんか。
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
病弱な女の子ココアちゃんが、不思議な国ワンダーラビットの住人であり、マスコットキャラクターである「ぴぴ」と、願いを叶える為に「カラット」と呼ばれる宝石を集める試験に参加するというお話です。これだけ、だとありがちな魔法少女×ファンタジーものですが、実は奥が深いんです。ココアちゃんが選ばれた理由と、その意味。そしてカラットは人や環境に影響を与え、異変を起こすので、それを解決するためにココアちゃんが活躍します。しかし、ココアちゃんは病気なので、普段は運動すら出来ません。でも、変身すれば走ったり普段は制限されている事が出来るようになります。これには物語の主人公「ココアちゃん」だけでなく、作者の切実な思いも含まれていたんです。この作品は、ただ心温まるハートフルファンタジーではありません。その意味は最後まで読むとわかります。是非読んで下さい。
どうしてこうも、周りから愛されて育った人間が紡ぐ言葉は優しさに溢れているのだろう。 甘やかされてきた人の言葉はどこまで行っても主観的で、正しく愛されて育った人の文章は客観的で辺りを必ず見渡している。 ちゃんと愛されてきたから、居心地の良さに甘えず自分を律しているからこその客観性だ。 一人称・三人称は何も技術的な話だけではないのだろう。 物語は、病気がちで走ることも叶わなかった少女ココアがぬいぐるみのぴぴと出逢い、不思議な呪文を唱えることで魂を融合させ、そしてカラットと呼ばれる水晶を七つ集めるために世界を駆け巡る、愛と驚きに満ちたファンタジー。 誰にでも思い描いた素晴らしい世界がある。 そうであれと願うことの尊さがここにある。