評価:★★★☆☆ 3.1

 鳳凰は言った。
 「世界は平和」だと。

 国王は言った。
 「戦争が無いことが何よりだ」と。

 領主は言った。
 「街は発展し、豊かになった」と。

 科学者は言った。
 「優れた技術の発明で、人々はより自由になれる」と。
 
 自由と平等の名のもとに、繁栄を極めたこの世界。
 それは、果てしない人類の欲望と犠牲の上に成り立つ世界。

 人々は社会を分断し、自らの財産のために他人を踏み台にする。 
 押し付けの”大多数”によって、常識は縛り付けられる。
 絶対的支配によって繁栄を見せかけ、為政者たちは意地を張りあう。 
  
 この世界は、ガラス細工のように繊細だ。

 そんな世界の片隅で、男は、ずっと独りぼっちだった。
 狭い檻に閉じ込められ、世界が何か知らずに育った。

 ある日。
 施設の壁が、爆発音と共に砕け散る。

「……はあ!?」

 壁をぶっ壊した男は、身長2m超はあるだろう、大男だ。

 大男の体は、炎で包まれていた。
 全身をパチパチと燃やしながら、両腕を組み、自信満々な表情だ。

「よお、毒人間。ワシらと一緒に、“世界征服”、しようじゃないか。」

 体から”油”が滴る混血巨人。
 真っ白な体毛の獣人。
 滅亡したはずの吸血鬼。

 そして、”毒”を操る、危険な男。 
 
 彼らは、それぞれが暗い過去を背負っていた。
 彼らは、お互いがお互いに隠しごとをしているようだった。

 だけど、彼らは真に平等だった。
 種族も、容姿も、強さも、全て関係なく、彼らはお互いを尊重していた。

 そんな4人は、旅に出る。
 飾られた”正義”の名の元に、抑圧された人々を救うため。

 彼らは自らをこう呼んだ。
 
 「アンチヒーロー」

 これは、世界から切り離された“マイノリティー”たちによる、復讐と反逆の物語。


話数:全95話

登場人物
主人公属性
  • 未登録
職業・種族
  • 未登録

時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録