評価:★★★★☆ 4.1
私がおまえだったらよかったのに、―――――
暴力的な妹、鬱陶しい幼馴染、依存体質の母親……難のある身内に囲まれながらも、事なかれ主義に徹することで平穏な日常を保つ、高校二年生の旭。
そんな彼の前に現れた、学年中の人気者・仲村と、クラスメイトの孤立者・雨宮。
対照的な二人との出逢いが、保たれていたはずの旭の日常に、罅(ひび)を入れてゆく。
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:シリアス
展開:未登録
思春期の少年少女を主にしながらも、人々の、きっと誰の心の中にもある「歪んだ感情」を繊細に紡ぎあげていく心理描写には感嘆しますそして容赦なく展開していく物語の流れがまた、リアリティさに拍車をかけますそして何より、まるで蜘蛛の糸のように、気がつかないほどに微細に張り巡らされていたフラグが、終盤で回収されていくのには、ただただ驚きですまるで芳醇なクラシックを聴いているかのような、精巧な作りに魅力されましたちなみに関連作品を読むと、よりこの作品に奥行きと深みが増しますラノベや異世界ものより文芸作品が好きな方なら、間違いなく一読の価値があります