自滅した人類に代わって世界は人間化した猿、蟹、蜂、栗、石臼、牛の糞が支配する世の中となっていた。嘗て猿蟹合戦に敗北した猿はその恨みを脈々と受け継ぎ、反撃の機会を窺っていたのである。
英介と良太は猿国空軍のエースだ。最高司令官の命を受け、二人は音信不通となった女スパイ延田恭子を求めてカニ国に潜入する。無事に恭子と接触した二人は彼女と協力して、彼女の任務である浄水管理センター、そのコントロール機関であるアスカル工作を実行するが失敗に終わる。逃亡の中で二人はカニ国人の竹内老人に助けられ、英介は老人の孫娘翠と出会う。
一方で、カニ国侵略を画策しているのは猿国だけでなく、蜂国女王ハチルダと栗国宰相エドガーも結託した動きがあった。それに危機感を抱いた蜂国女王の弟ハチュードは密かにクーデターを企む。
アスカルはカニ国にとっては生命線と言える存在である。それを逆手に取って諜報部大佐の京極は古いアスカルを囮に使って猿国の油断を引き出し一気にせん滅しようとしていた。だが、英介たちの妨害にあう。その挽回にと、カニ国に親善大使となって訪問したハチュードを危険人物扱いして拘束する。しかし、それも失敗に終わり、失意の中で京極は部下を連れ猿国へ亡命する。
世界征服を狙う蜂国女王ハチルダはついにカニ国へ出動した。それに呼応して猿国も参戦する。翠の危難を案じた英介は救出に向かうが、その中で良太を失い、恭子もまた京極に捕らわれる。
捕虜となった恭子は思いがけず死んだはずの父と再会する。しかし、父は研究に没頭するあまり理性を失っていた。恭子は父の元を去り、また英介と合流するのだが、それは世界大戦となった世の中に終止符を打つためだった。源生回帰装置。父が開発したその装置で自分たち本来の姿に戻し、戦争を終結させるのだった。
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