この世界唯一の大陸の東側半分を領土とする国、セイバル。六歳になる頃には誰もが魔法が使える事が常識の国で産まれたレッドは、六歳を越えても魔法が使えず、それを理由に虐めを受けた。幸い親友と呼べるエルクス、なついてくれている同い年の義妹フューリアが助けてくれていたが、虐めてくる相手に為す術の無い自分に劣等感を感じていた。
ある時心配した親と話をし、魔法無しでも立ち向かえる強さを手に入れたいと発起したレッドは兎に角努力を重ねた。
魔法の力は大きく、魔法無しの大人と魔法有りの子供が戦えばよっぽどの事が無い限り子供が勝つ程で、レッドの成し遂げたい事は絵に描いた餅と言えたが、レッドは努力を続けた。
その努力は実り、レッドが九歳の時に相手が油断していたとは言え、レッドの通う軍学校での模擬戦で勝つ事が出来た。
その日の放課後、難癖を付けて来た相手も返り討ちにし、レッドは虐めに打ち勝つ事が出来た。
それからはエルクスとフューリア以外に自身を慕ってくれるヤエキ、虐めを積極的に行っていたが改心したガルシアとも仲良くなり、平穏に学校を卒業し、セイバルの国境を守護する国境警備隊に配属された。
それから半年後、訓練を行っている途中に大陸の西側を併合して出来た国ディールが攻めて来たとの報告があり、まだ新兵で練度が低いと判断されたレッド達は基地での待機を言い渡され、主力部隊はディールの侵入して来た二国の国境であり中立地帯の山脈へと応戦に向かった。
まだ実力不足であることに悔しさを覚えていたレッド達だったが、そこをディールの新兵器に襲撃された。ディールは地上だけでなく、地下からも攻めて来ていた。幸い敵は一機で負傷者こそ出たがレッド、ヤエキ、エルクスの活躍で辛くも勝つ事が出来た。
しかしそれは戦果に目が眩んで突出した一機であり、直ぐに四機の増援が現れた。
敵の増援が現れる過程で建物の壁の近くにいたヤエキは、敵の兵器が崩した瓦礫によって命を落としてしまう。その現場を見てしまったレッドは怒りを爆発させる。するとそれに呼応するように体から膨大な魔力が溢れだし、レッドはその魔力を用いて、いとも簡単に敵を迎撃した。
その夜、失意に飲まれていたレッド、エルクス、フューリアの前にレッドの秘密を知っていると言う男、ケイルが現れ、その秘密を話始めた。
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