評価:★★★★☆ 4.1
【オーバーラップノベルスにて書籍化しました】
勇者召喚に巻き込まれた平凡な会社員、タケフ・ヨシアキを待っていたのは屈辱的な無能の烙印だった。思わず国王を罵倒して騎士たちに殺されかけるヨシアキ。生き残りを賭けて自らの特殊技能「市場」を発動するが、現れたのは第三世界の武器商人だった。入手した初期装備はスペイン製コピーのM1911と、脂漬けのAKM自動小銃。相棒のドワーフ娘とともに押し寄せる敵軍と対峙する彼は、過酷な異世界を生き延びることが出来るのか!?
新作スピンオフ
「マグナム・ブラッドバス ――ガールズ&リボルバー――」
https://ncode.syosetu.com/n5356fp/サイモン・セッズ ーブラックマーケット番外編ー
https://ncode.syosetu.com/n7289fn/
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
発想にはやや無理があるものの、台詞回しが秀逸なため、ストーリーに引き込まれます。台詞の間の取り方、ストーリーの起伏、ハイスピードな展開と合間合間に挟まれる爆笑シーン、どれをとっても素人には絶対ムリ、というくらい自然な流れで情景が描き出され、メリハリのある展開にすんなりとはまり込みます。そのスピード感、描き出される情景、全てが実に鮮明です。ハイスピードの映画作品を見せられているかのようです。どう考えても物書きの素人が作れる作品ではないです。脚本家とか、そっち系の人の匂いが至るところで文章から感じられます。そういう人がこのような映像化不可能(漫画も無理ですね、きっと)な作品を書いてみたくなってできたものではないでしょうか。そのようなどうでもいい分析はさておき、素晴らしく楽しく読める作品です。オススメ。このような素晴らしい作品に出会えたことに感謝します。
所謂お約束の巻き込まれ転移無能粛清から目覚める主人公のスキル、それはまたまたお約束のお買い物系スキル「市場(マーケット)」。絶品地球料理のスーパーマーケット?否。NAISEIチートのホームセンター?否。呼び出したるは地球で絶賛商い中の横流し上等武器商人その人。マーケットはマーケットでもブラックなマーケットだったのだ。全身鎧が45口径弾を防げるか。魔法障壁がアンチマテリアルライフルを防げるか。ゴーレムがTー55戦車の56口径100mmライフル砲を防げるか。3万人のカタクラフトとファランクス共が万全の野戦陣地に籠る100人の武装山岳ゲリラ兵に勝てるのか。いろいろ台無し地球舐めんなファンタジー、オープンコンバット!
ファンタジーに現代武器を持ち込むのは世界観を壊しそうだけれど、見事に融合した作品。序盤は『ファンタジーな人達と銃』の絵面の違和感はんぱない、というか困惑。けれど組み合わせの有用性は確かだ。クレー射撃などもそうであるが、風力の強さは弾道に影響を与える。しかしファンタジーには魔法がある。多少の誤差は魔法で修正できるのだ。この作品の長所は大きく2つ。1つは主人公の能力『死の商人』。地球のブラックマーケットで武器を入手できるので、ミリオタ歓喜な武器がぞろぞろ出てくる。もう1つは主人公の人間力。(社会人だったら当たり前の事なんだろうけれど)付き合いが長くなったブラックマーケットの人間に対しての心配りを見る限りは、他の人に対しての心配りも想像できる。そんな主人公だからあんな素敵なヒロインがそばにいてくれるんだな、とも感じた。ヒロインの言動はぐっときます。面白かった。
作品の内容自体は割愛、とにかく殺しまくる話。しかも魔法とかではなく、近代兵器「銃」で物理的に殺しまくっています。人が紙切れのように安っぽい命で吹き飛んでいるのが、スペイン人がインカ帝国を滅ぼした時のような、シュールで、センセーショナルな印象を与えます。魔法がどんなに優れていようとも、近代兵器の代表格「銃」のスピード、破壊力、テクノロジーには勝てない、銃の凄さがリアルでわかる作品です。とにかく殺しまくっています。こんなに命が安い作品は、まず滅多に見られないでしょうね。ですけど物語の土台がしっかりしているので、重みのある作品と感じています。
巻き込まれ召喚+無能認定+逆転無双……までの流れはテンプレそのものだ。 美少女が出てくるあたりも、さして他作品と違うところはない。 この作品が有象無象の転移系に埋もれず、一歩抜きん出ている点。それはまさしく、主人公の「殺し」に対する描写だろう。 どんな理由があれ、人殺しというのは本来悪である。 それなのに、主人公は作中で「3万人殺し」という一種の偉業を成し遂げた。 一人殺せば犯罪者、千人殺せば英雄とはよく言ったものだ。 さしずめ、3万人殺しの主人公ヨシュアは正に「魔王」だろう。 「抵抗しなければ殺しはしない」というのは、英雄の常套句であったか。 どうやらヨシュアには、それが通用しないようだ。 ブラックマーケットのオッサンに、作者の豊富な兵器の知識、ヒロインとの触れ合いの描写も見所だが、なによりも「殺すこと」「殺されること」について考えさせられる作品である。
この作品には面白い点がいくつもあるその1つが、主人公が2人いる事だ1人はこの作品自体の主人公だが、もう1人は地球にいる2人には殆ど接点が無いため作品自体の主人公しか語られることはないが、もう1人の主人公が居なければこの作品は成り立たない語られることがない分、どの様な冒険をしたのか、どういった騒動があったのかは読者の想像へと委ねられる自分だったらどうなるか、あるいは何を用意するかを考えたりする事でこの作品はさらなる広がりを見せ、より一層面白いと感じられるようになっていく事だろうこの作品を教えてくれた友人と、新しい世界を見せてくれる作者に感謝を
武器商人にとって、最も頭を悩ませることは何だろうか。武器の調達先? 保管場所? 輸送手段? 取引相手? 自分のビジネスについて知らない家族への優しい嘘? 貴方が現実の武器商人であれば、どれ一つとっても欠けてはいけない要素であろう。どこかで歯車が狂えば、映画「ロード・オブ・ウォー」のようになりかねない。 しかし、すべて心配ご無用。本作の主人公には神から授かった「ブラックマーケット」のスキルがついている。世界の東西問わず横流しされた武器は、さらに異世界へと横流しされる。亜人や獣人を虐げてきた王国の兵士たちを物言わぬ肉塊に変えるべく。 突然、異世界に召喚された中年サラリーマンの主人公には、嘘をつくべき家族も仲間もいない。しかし、それはむしろ利点の一つだろう。銃器は抑圧されてきた亜人を彼の頼れる仲間へと変え、一方で、彼は売られた戦争を丸ごと買い上げていく。 血と硝煙が立ち上る快作。
勇者に引きずられて異世界転移したけど役立たず認定を受けて……というイントロは結構よく見るパターンである。 さらに手に入れたチート能力が現代社会の物品を購入できるとくれば、これもまた見たことあるなあと思われるかもしれない。 だが、この作品の場合、購入できるのは、現代は現代でも現代日本の品ではない。 現代の、どこだか知れない紛争地帯のブラックマーケットのヤバげなお兄さんのお店へと繋がるチートなのだ。 日本円?そんなマイナー通貨知らねえ、ドルを寄越せと嘯く兄さんにかっぱらってきた剣だの装飾品だの叩き売って、出所不明の怪しい銃器を手に入れよう! ファンタジーを在庫処分の鉛玉でぶっ飛ばせ! お約束パターンの安心感と爽快なガンバトルを備えた、お勧め娯楽作品です。