評価:★★★★☆ 3.8
アンナはいつだって猛烈に、燃えるように輝いていた。ぼくたちの日常があと五年の寿命しか持たないと託宣をくだしたときも例外ではなかった。ぼくたちの祖国、日本民主人民共和国が五年後に崩壊すると言い当てたとき、アンナは屈託なく笑っていた。笑うと、そのとき食べていた炒り豆のにおいがした。ぼくはそんなアンナの横顔をみつめていた――。
変わりようのない世界で、変わらない運命に翻弄される「ぼく」は、絶対的に変わる現実を前にノタノタ青春を謳歌していく。かつて確かに存在した奇妙な『日本』に生きた、これは「ぼく」たちの青春の物語。
※ジャンル:社会主義ボーイミーツガール
※8月31日めでたく完結
※カクヨムさまでも同時掲載