評価:★★★★☆ 3.5

 寝坊はするわ、母さんには見捨てられるわ、時間割は間違えるわ、弟には逃げられるわ……あ、弟はどうでもいいんだけど、朝からそんな調子で滅茶苦茶。しかも学校が終わって家に帰れば変な刑事の訪問が……。

 本当に最悪な1日!

 なんか親父に用があるとかいって家に上がり込んだこいつら、なんでか知らないけど俺の部屋に入ってきてパンツとか漁り出すし……やめてくれ(涙) 挙げ句に 「このパンツ、どこで買ったの?」 とか訊いてくるし。あんたらそんなパンツが趣味なの? そんな悪趣味な柄パンが好きなわけ? 俺は全然好きじゃないけど、母さんが買ってくるから仕方なく穿いてるんだよ!

 怒られるしさ(涙)

 欲しいんだったら母さんに訊いてくれる? 俺、男子高校生だから。思春期なの。デリケートなお年頃なんだよ。恥ずかしくて恥ずかしくて、穴があったら埋まりたいくらいなんだよ! もう少し丁寧に扱ってよ……っていっても全然聞いてないし。
 なんなんだよ、こいつら? 本当に刑事かっ? そもそもあんたら、親父に用があったんだろ?

 当初の目的を思い出せ!

 思い出しても無駄だけど。だって親父、とっくに死んでるし……ってこれも聞いてないのかよ? もう1度言うけど、親父はとっくに死んでるの! なんでとっくに死んでる人間の指紋が、昨日今日に起こった殺人現場から出てくるんだよ?

 おかしいだろ?

 だって親父自身が死体なんだよ。いや、死体どころか皮とか肉とかなくなって、もう骨しかないんだよ。だから指紋なんてないんだよ!

 あり得ないだろっ?

 だいたいさ、死人が生きた人間殺すとか、出来っこないだろ? 出来たらホラーだよ。
 逆だろ、逆! 生きた人間が死人を……いや、逆も無理か……。死人はもう死んでるんだもんな。殺せるわけねぇーわ。

 とにかく親父は死んでるんだよ!! ……って何回言っても聞いてくれない変態刑事ども。親父の下半身並みに質が悪いぜ。

 ああ、わかったよ!

 だったら俺が真犯人を見つけてやる! そうすりゃ文句ないだろ?
 言っておくけど、親父の名誉のためなんかじゃないからな。あんなクソ親父、どうでもいいんだよ。俺はこの変態刑事どもから解放されたいだけなんだよ!

 だから俺のパンツを返せーっ!

 この作品は「エブリスタ」に掲載しているものを改稿しております。


話数:全39話
ジャンル:

登場人物
主人公属性
職業・種族
  • 未登録

時代:
舞台:未登録
雰囲気:
展開:未登録

その他要素