評価:★★★★☆ 4
人面瘡を見たくはないかと、黒田さんは尋ねてきた。
僕は、見たいと答えた。退屈だったからだ。――2009年の夏、玄田智紀は13歳だった。足の骨折で入院していた智紀は、ある日病棟で、謎の美女、黒田さんと不思議な約束を交わす。それは、人面瘡を見る代わりに、彼女の怪談話に付き合うというものだった。
黒田さんは、人面瘡で入院しているというのだ。怪談を通して仲を深めていく二人。しかし智紀の身には、衝撃の結末が待ち受けていたのだった……。
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
病院で出会った美少女に、美少女の怪談話に付き合う代わりに、人面瘡を見せてもらう約束をした主人公の話。ホラーは苦手だったのですが、タイトルに惹かれて読んでみました。すると、ヒロインの黒田さんの明るいキャラクターも手伝ってか、どんどん読み進められました。黒田さんが話す怪談は、どれも単に怖いだけでなく、何か教訓のようなものを秘めていて、妙にリアル。しかも、その怪談が、実はラストのどんでん返しの伏線となっているという構成の素晴らしさ。人面瘡の正体とは。そして、最後に分かるタイトルの真の意味。ホラーとミステリーの相性の良さを改めて実感できる、深くとも爽やかな青春ドラマ。
∀・)こんにちは!子供の頃怖かったのはマジでキレた親父と近所で昼夜問わずやたら吠えていた犬とスーパーマリオブラザーズ3でマリオをひと飲みする巨大プクプクでした。イデッチです。小学生ぐらいの話ですね。∀・)トラウマ、それは大人になっても消えなく残ることも多いもの。この作品で語られる話はそういったトラウマの筈なんだけど、そのトラウマが愛おしく感じてしまうような話。意味わかります?わかりませんよね(笑)ホラーって突き詰めていけば「怖さ」だけじゃないと思うんです。いや、そう思わされたのかな?もう本当凄い作品すぎて言葉を失いました(笑)もうコレ、読んで貰って実感して貰うしか(笑)∀・)あなたも黒田さんに会いに来てください。そしてこの物語の行く末をみとどけてください。きっとこれまでにないホラーを通した感動を味わえると思います!!
ホラーが「恐怖」を売りにするものだとしたら、それには何種類かあるはずだ。霊や鬼に怯える恐怖、先がわからない恐怖、決断を躊躇う恐怖……いずれにも共通するのは、「未知」と出会うことだろう。主人公の智紀が出会う謎の美女・黒田さんもまた然り。脚にあるという人面瘡、語られる怪談、彼女の存在そのもの。ただし、智紀にとっての「未知」はそれだけではない。読者にとってはどうだろうか?公式ホラー企画に寄稿された物語でも、感じるものは恐怖だけではないと思う。この物語を読むには、怪談に恐怖する覚悟だけでは準備不足だろう。ホラー、ひいては恐怖が旨とする「未知」に、どれだけ敏感いられたかが試されるのではないか。