評価:★★★★☆ 3.9

"顔のない人が追いかけてくるの"

顔のない人――――それは、神か悪神か?

享保《きょうほう》二十年(一七三五年)の秋。
お姉ちゃんは七つになる前に、この世を去った。
月日が過ぎて私も七つを迎える。

これは、私の忘れられない幼い日の出来事。

顔のない人は私の前に幾度となく現れ、黒い能面から不敵な笑みを見せた。
ある夜、私は真夜中にうなされ、この世をなのかあの世なのか区別が付かないほど、意識が朦朧とする。

母に起こされた父は私をおぶり、「小石川養生所」へ駆け込む。
※「小石川養生所」当時の総合病院。

しかし生命のしのぎを削る、この場所でも、顔のない人は執拗につきまとい、死の淵をさまよう、私を高みから見物する。

鼻歌の代わりにお経を唱え、足音の代わりに死臭を漂わせる。
気配だけで私を恐怖へとおとしめた……。


話数:全8話
ジャンル:

登場人物
主人公属性
  • 未登録
職業・種族

時代:
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録

注意:全年齢対象