評価:★★★★☆ 3.8
※陰陽五行を下敷きにしたダーク・ファンタジーです。
ある日人攫いの村で奴隷をしていた少女は、村を壊滅させた青年、シラヌイと出会う。
スイキと言う名の朱い髪と瞳を持つ彼女は、甚大な呪力を持つ『鳥の民』と呼ばれる一族の生き残りだった。シラヌイに拾われた彼女は、神に等しいその力を狙う皇国と、彼女を利用しようとする和繋国の思惑により、住んでいる村を襲撃される。
様々な思惑が絡む中、彼女は、残酷な世界に向かって叫ぶ。
「―――何故、私なのですか!」
失われたもの、取り戻すべきもの。
それらを巡る旅路の中で、彼女の目にしたものは……。完結しました。
時代:未登録
舞台:異世界
雰囲気:未登録
展開:未登録
その他要素
注意:全年齢対象
水は火に勝ち、火は金に勝ち、金は木に勝ち、木は土に勝ち、土は水に勝つ…… なんてお話を聞いたことはないでしょうか? 五行相克というそうです。 東洋の魔法使い……と言い換えると、日本では陰陽師が有名なところですね。 この作品【朱の呪紋士】では、このような陰陽五行の思想を主軸に据えて、 山あり谷あり伏線アリで、重厚な物語が展開されます。 ダークファンタジーの名に恥じず凄惨な描写も少なくありませんが、それら試練と困難に立ち向かう登場人物たちのドラマには心打たれること請け合いです。 無用なキャラクターなど一人もいません。一人一人が物語を彩る生きた住民なのです。 ――あなたも、『生きた物語』をご覧になってはみませんか?
“たまたま見つけた小説。これは””運命””と言っても過言では無い。そう思わせてくれる物語だ。まず自分が言いたいのはタイトル通り、ぜひ読んでほしい物語だ。この場合は小説、なのだろうか?いやそんな事は些細な事だ。まず、自分が思ったのは文章能力が高いそう思った。とても読みやすい。何故伸びないのか?そうも思った。自分も全て読んだ訳では無いが、読んで後悔はしないと思う。ぜひ読んでほしい。”
ファンタジーと言えば中世、どこかの草原、どこかの異世界、そうした話が多く、またファンタジーとはそのようなものだという認識の人が多いだろう。 この作品はある意味そうしたファンタジー作品とは一線を介す作品である。 魔法ではなく呪紋、MPではなく五行陰陽。そして物珍しさだけが魅力ではない。 この作品の主人公は二人。一人は白、もう一人は朱。理不尽の蔓延る世界で起こる現象の数々は、二人に過酷を齎す。しかし、どれだけ過酷で理不尽な世界でも二人は生きるのだ。それだけの約束があるのだから。 ああ、それと私は朱翼ちゃんのような壮絶に愛がある系の女の子が好きだ。これだけでもこの作品は評価に値するだろう。