評価:★★★★☆ 3.9
魔法文明国家の、とある田舎町に住む主人公の少女、ティリル・ゼーランド。
居候先の、幼馴染の少年が、ある日突然旅に出てしまった。
置いていかれた淋しさに落ち込むティリルの元に、城からの使いがやってくる。
「あなたは世界一の魔法使、シアラ・バドヴィアの娘君だ」
自分でも知らなかった実母の名前に驚かされながら、ティリルも自身の成長を望み、王都の魔法学院へ編入することを決意する。
学院でティリルは、掛け替えのない友情と、得難い恩師の指導と、そして凄烈な悪意とを、得ることになる。
自らと、その周囲とを混乱に陥れる悪意に、ティリルはどう立ち向かっていくか。
そして、彼女自身魔法使としての才能を開花させられるのか。
転生・転移はありません。完全異世界を舞台にした、少女の成長を追うハイファンタジー・ヒューマンドラマ。……の、序章と第一章。
文体は三人称、ほぼ全編主人公の固定視点です。どうぞお楽しみください。
話数:全220話
時代:未登録
舞台:異世界
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
主人公は16歳の田舎娘。ある日突然お城から「あなたはすごい魔法使いの娘ですよ!魔法学校に入学しませんか!金は王様持ちで!」とお迎えがきます。こんな少女マンガ的展開なのに全然キャッキャウフフにならないしチートもないしハーレムもできないし濡れ場もありません。なのでそういうのを求めている方には不向きかと思います。でも、描写も細かく文章は読みやすく(細かい政治地理概念なども書かれてはいますがそこは読み飛ばしても大丈夫でした!)コミカルな場面もあるので感情移入もしやすいです。田舎娘がすこしづつ成長していく物語をじっくり読みたい方におすすめです。
田舎の村ユリに住む少女ティリルのもとに、王国の使者と名乗る男が訪れる。使者はティリルを伝説の魔法使シアラ・バドヴィアの娘であると告げ、魔法大学院への特別編入を要請する。基礎的なものならまだしも専門的な魔法の勉強なんてしたことがない。それでも自分の人生を歩むべく、編入を決意したティリル。だが、待っていたのは華やかな学園生活だけではなかった。 読者の「知りたい」という欲求を煽るのが非常に巧いと感じました。親の七光り状態で集団に放り込まれたときの、理不尽や偏見、そして敵意。苦境のなかで挫けそうになりながらも進もうとするティリルをはじめ、キャラクターの掘り下げが丁寧です。それこそが続きを読ませる力なのだと感じました。冗長と思わせない「引き込み」と「面白さ」が、文章力という言葉に集約されているのだと思います。
いつまでも続けばと思うほど、いつまでも今は続かない。少年の決意により、日常がゆっくりと音を立てて変わる。この物語の主人公であるティリルもまた、そんな日常の変化を切欠に自らの道への歩みを始めます。一見どこにでもいそうな少女だが、その純朴さが可愛らしく。少しずつですが、一歩一歩と成長していく姿にとても胸が躍り、その過程が楽しい作品です。個人的な感覚ではありますが、かの有名なハリーポッターという作品。あれは学園を通して巻き起こる不思議冒険などの劇的要素が強いものです。この作品は、ハリーポッターが魔法学校に入学し、日常などの学園生活面を強く描いた場合こうなるかな、と思える作品だと感じました。作中の描写、設定も詳細で丁寧。上記にて興味が出たのであれば、私は是非この作品を読むことをお勧めします。最も、夢中になりすぎてティリルみたいに寝坊してしまう可能性もありますが。
ザ・ハイファンタジー王道海外ファンタジーの世界感そんな言葉が似合う作品だと思います。確かに、ライトノベルになれている人にとっては重たい世界観かもしれないですが…だからこそ、ライトノベルとは違う世界も覗いてみたい!そんなあなたに、オススメです!ニュアンスとしては、二郎系や家系のような濃厚さは残しつつも、脂がくどくないあっさりとしたラーメンの様でした。(むしろ、わかりにくい?)とにかく、タラ・ダンカンや、指輪物語のような世界観が好きな人は、ぜひ読んでみてください!きっと楽しめる作品だと思います!
他のレビュアー様も書かれている通り、とにかくリアルです。何がリアルかというと、もうこの世界観を構築しているものがすべてリアルなんですね。それこそ手を伸ばせば触れそうなくらいリアルです。あとはキャタクターも魅力的ですよね。応援したくなるし、読んでいて力を貰えると思います。主人公が、魔法大学院に行くと決めるシーン。すごく好きです。決意、みたいなものがちゃんと伝わってきます。
慎ましくも温かく、穏やかで静かな日々。いつまでも続けば……そう願う時間こそ続かないものなのであろう。少年は決意を胸に抱き、願った少女は独り泣く。まぁ、なにはともあれ物凄く描写が丁寧。とにかく丁寧。展開を急がず焦らず、かといって冗長的にはならない「丁度良い」ペースでの語り口は実に優しい書きっぷり。だからこそ主人公であるティリルの優しい心をホンワカと感じ取ることができる。彼女が望む彼女の世界は、彼女の意志とは関係なく動き出す。それこそ唐突に、決断を迫られ背を押され、次第に、小さな小さなティリルの世界が広がる。憧れと現実、過度の期待と挫折、ティリルは成長していく。ネスティロイが好き過ぎる(*ノωノ)
他の方があらすじを書いていらっしゃるので、ド下手な私は控えますね。天才かお前は…とツッコみたくなるぐらいネタバレしてしまうので。 この作品を読んだときの私の顔面を一言で表すなら、「あっ…好きだわ!! なにこれ!!!」…ですね。今もレビュー書いててニヤニヤしてるはずです。気持ち悪いですね、すみません。 小説家になろうの中で、久しぶりに純文学と呼べるような小説に出会いました! あー無理すごい好き。好きすぎる。 そもそもこんなレビュー読んでる暇があるなら今すぐに冒頭読んできてほしい。最高ですぞ。ため息出るぐらい本当に好き…はぁ……。 これからも楽しみにしている作品です! 読んでみてください!!
理不尽で苛烈な運命に翻弄される少女ティリル・ゼーランドの物語彼女の魅力は、何かを乗り越えた時に見せる、前とは違った新しい強さです読み進める上でそれを何度も感じ、自然とレビュータイトルにも書いた言葉がこの物語のイメージとなりました最初は触るだけで折れそうだった儚いだけの無力な少女が、多くの不条理と、それを支えてくれる無償の優しさに触れるたびに、強く逞しく成長してゆきます何かが起きたとき、それが彼女の成長の糧になるその過程がとても丁寧に描かれているのです読み終わった時は、もう一度一番初めの儚いティリルに会いに行ってみてくださいその成長の様を鮮烈に感じたとき、きっと驚くに違いありません
主人公ティリルが、母の面影を追って魔法士を目指す物語です。この物語を読んで、私はこの作者は、とても丁寧に物語を作られる方だと思いました。現実に存在するのではと思うほどの詳細な設定と、登場人物の心情や学院の様子をつぶさに描き出す繊細な描写は、あなたを驚かすに違いありません。何より、ティリルが挫折やいじめを乗り越えてどのように成長し、どのような道を歩んでいくのか。その成長が楽しみで仕方がなくなります。まだ途中までしか読めていませんが、今後の展開がとても楽しみです。あなたも是非、この小さな少女の成長を見守ってみませんか?
心理描写、内面描写、情景描写が丁寧とかいうレベルではなく、ただひたすらにリアルです。作者さんの頭中にはこことは全く違うもう一つの世界ができあがっているんじゃないかと思わされました。もう自分が主人公と同じ状況だったら感じることが事細かに描写されています。一話から片鱗が見えていますが、読み進めていくにつれ頭おかしいんじゃないかってぐらい主人公ちゃんの感情や実際に風景を見たかのような、見ているかのような描写力にただただ驚かされました。かなり細かく丁寧に世界観を作り込んでいるのが分かります。頭を空っぽにして読める作品に飽きた方がいらっしゃったら本当におすすめです。読めば上澄みの没入感ではなく、深く深くこのもう一つ世界に入り込めること間違い無しです。是非皆様もご一読ください(o´∀`)b