評価:★★★★☆ 4.4
トーラス帝国の貴族、ルッケル・ファウターシュ男爵が借金返済の方法に選んだのは、剣闘士として戦う事だった。
でも途中でうっかり死んでしまうと借金の返済も出来ないから、そこは少しばかりズルをして……。少し汗と血生臭いお話です。
応募用に十万字をクリアする為、借金貴族の剣闘士生活、奴隷貴族の剣闘士生活、家出貴族の剣闘士生活を合わせ、そこに4章目を足した物になります。
ノベルアップ+様でも公開しています
話数:全42話
ジャンル:アクション
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
その他要素
いわゆるラノベってジャンルではないです。設定に無理がありません。無茶もありません。それは、読んでいて萎える所が無いという事です。汗と血生臭いリアル志向の物語です。主人公の心情も深く掘り下げてくれています。けれど残念な事に塗れ場はありません。ファンタジー設定ですが、闘技場での活躍を描いているためか、いわゆる放出系の魔法の出番もありません。そんな物語ですが、読み切った感想はすっきり爽やか。何か良い作品はないかなって思っている方は一読をおススメします。
タイトル通りです。主人公の視点で剣闘技場を主な舞台とした短編でかなり良質な物語です。剣闘士のスーパースターもとい英雄ともなれば、今のアイドルやハリウッドスターやスポーツのスターの中でもレジェンド共言われる様な存在なのでしょう。例えばマイケルジョーダンやリオネルメッシ、マイケルジャクソンやシュワルツェネッガー。その剣闘士の頂点が観客から拍手喝采を受けるその絶頂では時の支配者達ですら配慮をせざる終えない。剣一本で、政治さえ動かす。そんなローマっぽい時代のファンタジーです。戦闘描写が見所です。
天災により借金まみれになった領地を助けるため貴族の青年が剣闘士となり闘技場で活躍する物語。一人称でありながらどこか達観したような語り口で進んでいきます。この作品で一番素晴らしいのはスピーディでありながら正確かつ丁寧な戦闘描写です。これまで読んだ作品の中でも屈指の巧さでした。またそんな秀逸な戦闘シーンの頻度が多いのも嬉しいところ。特に最終章で剣を極めた男だけが放てる台詞が男くさくて最高に格好よかったです。主要な登場人物もどこか筋の通った気持ちのいいキャラクターばかり。完結してしまっているのが惜しい。主要キャラの掘り下げや主人公との絡みといった人間ドラマがもっと見たかった!読めばきっとあなたも古代ローマが薫るファンタジーの世界に引き込まれているでしょう!