本好きを拗らせて、古書に頬擦りし、臭いを嗅ぎ……そのせいでクラスから孤立した少年、能因草子《のういんそうし》。
そんな彼に手を差し伸べたのは、オープンキャンパスで出会った大学教授だった。
彼はただ、その教授とその教授のゼミ生達と一緒に文学研究をしていられたら、それで良かったのに……。高校一年生から志望校目指して受験勉強を進めていた最中、教室に異世界召喚の魔法陣が現れたところから彼の運命は狂い出す。
残り物のスキルを押し付けられ、着いた先は迷宮。そんな絶望的な状況を抜けても混沌とした異世界の問題は残っている。
ぶっきらぼうな優しさ触れ、増えていく草子を慕う者達、修復されていく関係、インフレの激しい敵との戦い、どこかで見たことのあるテンプレの山。
出逢いと別れと戦いを繰り返す長い旅の中でも草子の「地球に帰還する」という願いだけは変わらない。これは何者にもなれる世界で「どうせ居てもいなくてもどっちでもいいモブなんだから、地球に帰ってもいいよね!」と地球への帰還という選択肢を選んだ少年と、そんな少年を振り向かせたい少女達の旅の記録である。
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※1本作では古今東西の“作品”をネタに混ぜ込みますので、あらかじめご了承下さい。近世的な異世界ライトノベルを目指していますが、ネタを知らなくても楽しめるように書いているつもりです。※2感想にてステータスへの指摘を多々受けますが、作者のこだわりが強いのでこのままの形を維持させて頂きます。
※3投稿は基本毎日更新です。特殊な短編や登場人物紹介については特殊な更新方法が採用されます。
※4感想、レビュー等々何かしらの反応があればモチベーションが上がります。投稿スパンが短くなるかもしれません。
※5章終わりに講義パートを挟みます。……こっちを書く方が本編書くよりもしんどいので、後生ですから飛ばさず読んで……まあ、どっちでもいいか。
※カクヨム版、ノベルアップ版も公開を開始しました。(https://kakuyomu.jp/works/1177354054889516654)
(https://novelup.plus/story/169546710)
2019/10/05 完結
文学少年(変態さん)は世界最恐!? 〜明らかにハズレの【書誌学】、【異食】、にーとと意味不明な【魔術文化学概論】を押し付けられて異世界召喚された筈なのに気づいたら厄災扱いされていました〜
完結日:2019年10月5日
作者:逢魔時 夕
評価:★★★★☆ 3.6
話数:全549話
時代:未登録
舞台:ゲーム
雰囲気:未登録
展開:成り上がり
“この作品、ジャンルで言えば異世界転移ものではあるが……その枠で収まりきらない程の作者による熱量、文学の知識をも練りこんだインターテクスチュアリティ作品、つまり””カオス””。ただカオスと表現しても、ごった煮になっているのではなく、綿密な伏線回収をも忘れず、主人公草子君によるインフレの嵐はそんなカオスな世界をもスカっと成敗してくれる。既視感を覚える数々のネタ、超絶技巧。整合性を最も重視した、細部までこだわりの持たれたステータス。TSや男の娘、百合などのマイナーなギミックをも見事に取り入れた意欲作。これぞ新時代の異世界カオス!この作品は、そんな新ジャンルを確立してもおかしくないレベルの、いわば革命的な一作と言えよう。”
クラス召喚物ってあんまし好きじゃないな。 だってさ、主人公が分からなくなったり、クラスの生徒がキャラ立ちしてなくて、何のための大人数っ? ってイライラ溜まるのがね……。 でもさ、この作品は違うな、うん。一味も二味も違う。 だってさ、主人公は自分が残り物押し付けられたモブだって言い張って、クラスの美女子達をこれでもかっ! って主人公推しする。 おーいきみっ! どっからどう見てもきみが主人公だから! どこのモブが、画面に収まらなくてスクロールしまくり、もう満足満腹膨満感いっぱいになるくらいにまで、あらゆるスキルで埋めつくせるの? そしてその羅列を見るのがさ、快感に変わっちゃうの。あ、また増えた♪ それにさ、厨二心をくすぐられ出てくるキャラへ愛着わいてさらにさらに文学に造詣も深くなれるんだよっ!? ??? って人はまずは……読むべしっ!!