評価:★★★★☆ 4.3
【カドカワBOOKS様より書籍1〜3巻(イラスト:村上ゆいち先生)】
【フロースコミックよりコミックス1巻(漫画:拓平先生)コミックウォーカー/ニコニコ静画/pixivコミックでコミカライズ連載中】
※1〜2巻はWEB本編を大幅に加筆修正、3巻は書き下ろしです
※書籍化に伴うWEB版の削除、及び改稿はありません休日出勤中の事故で異世界に招かれたらしい私。魔法や妖精が存在するこの世界で、せっかくだからアナログ生活を満喫させていただきます。
黙っていれば雰囲気美人、脳内はかなり身も蓋もないアラサー女子(魔力なし)がジャムを煮たり、親切な人たちと交流したりしながら、恋をするお話。
※ サブタイトルの人の視点で進みます
※ シリーズの小話が別話であげてあります(タイトル上のリンクをご利用ください)2016.7.14 完結しました。ありがとうございました!
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
注意:R15
読み終えた……。まだ暫く、この物語の優しさの余韻に浸っていたいと思った。 読んでほしい。だからこそ、感動した想いのまま、薦めるべく文字を綴りたくなった。 この物語のヒロイン、現世で事故に遭い……、そして、異なる世界に招かれた。 しかし、与えられた特異な力はなく、便利な魔法も持たされず、そしてあるモノを失くしていた。 右も左もわからない未知の世界、ヒロインを取り巻く時間は静かに流れ、関わる人たちは優しく暖かい。 物語のすべてから幸せが溢れてくるようで、わたしは、読みながらも癒されていたのかもしれない。 人気の物語に対して、わたしの書くレビューは、色褪せて及びそうにないけれど、この素敵な物語を読んでいないという貴方に、少しでも届いてほしい……と思うのは、いけないことだろうか……。
不慮の事故により、これまでの人生と声を失った彼女が得たのは、無邪気にたわむれる精霊と、誰もが一度はあこがれる『赤毛のアン』や『大草原の小さな家』のような泥臭くも暖かな故郷、そして『甘さをひかえない』ジャムだった。 やれ健康のためだ、素材のうま味を味わうためだと、現代がなくしてしまった甘さがこの世界にはある(長期保存のために砂糖をぶち込んでいるだけだと突っ込んではいけない)。 ほろ苦い現代の生活にお疲れの方は、ぜひジャムを添えた紅茶とおやつをお供に、この小説を読んでみてください。 丁寧に描写されたジャム作りと人間関係の『ひかえない甘さ』が、きっとあなたを満足させてくれるでしょう。
なんだか疲れちゃったな、と感じたとき。それはきっと心が渇いてしまっているのだと思います。ため息しか出てこなくて、ぽつんと取り残されたような気持ちになってしまうんです。 そんなとき、私がいつも思い出すのがこの作品です。 最初はタイトルに惹かれて読み始めました。なにかゆったりとした優しい物語を求めていたのです。森のほとりでジャムを煮る、その言葉が持つ癒しのイメージ。この作品はそれを裏切らないどころか、さらなる豊かさを私に与えてくれました。 荒涼とした土地にポツリポツリと染み込む雨粒のように、私の心もあたたかい涙で潤されたんです。 この物語に出てくる人々の真摯な生き方、思いやり。そして願い。綴られている美しい言葉たちがきっとあなたの心も動かすと信じています。
タイトルに惹かれて、若い男が手にとって読んでみました。現代とは違って、この小説の世界では、時間が緩やかに流れています。それはまるで、小さな川のように。異世界に飛ばされてしまった女性が、ゆっくりとした日常の中で愛を育てていく物語です。 この作品から見えるのは、人と人のつながりの優しさです。思いやりの大切さです。「ひと」というものを大切にして、日常の小さな幸せを慈しむ。なかなか今の私たちができないことが、表現されていると思います。 ゆっくりとしたい時間にどうぞ。もちろん、紹介されている食事はおいしいですよ。
事故に遭い、異世界へ飛ばされてしまった主人公。戸惑いつつも気遣ってくれる周囲の人々に見守られ、心と身体を癒し暮らしてく物語。異世界に飛ばされても魔法も何も持っていなく、普通の一般女子が飛ばされたらきっとこんな風に生活していくのだろう、と擬似体験をさせてくれます。私が小鳩さんの作品を通して通奏低音の様に感じているのが、普遍性です。特別な事を描くのではなく、普通の生活を普通に描写していく。中々出来ることでは無いと思います。大人の方が読まれたら、ゆったりとした清涼感で夏の暑さも気にならない読後感を味わえます。10代の方にもぜひ読んで頂きたい。この瑞々しい感性に触れて欲しいです。PS.作中にあるジャム作成レシピはそのまま作れば美味しいジャムが作成出来ます。それもオススメです。
例えるならば、子供の頃に読んでいた外国の少女小説。洋館に果樹園、優しい老婦人に賢い番犬。時間と手間をかけて作られる素朴なお料理。ただ、舞台は精霊の住まう異世界だけど。ヒロインはアラサーだけど(笑)少しの魔法は出てきますが大きな事件は起きません。大ケガをして異世界に飛ばされたヒロインが傷を癒しながら新しい自分の居場所を作っていく。何もない、何も出来ない自分の存在価値に悩みながらも、いつの間にか彼女の存在が周囲を少しづつ変えていきます。ゆるりと流れる時間にしばし慌ただしさに忘れてた懐かしい時代を思い出します。
普段はダークファンタジーな物語ばかりを呼んで一人思考の海に浸かっているのですが、なんとなくこの作品が目に入り手にとって読んでみたしだいです。良いものですね、ロマンチックな物語というのは。一重に作風について言っているのではなく異世界で繰り広げられるマーガレットを含め様々な人の目線で物語を進めていくうちに自らも「自分の理想」に素直になれるということについてです。最近は何かあればやれ「~厨だな」等や「厨二病だ。」等と理想を抱くことに対して世間が無差別に攻撃しているように思えてならないのです。しかしこの作品には、それを忘れさせてくれる優しさというか不可視の力があるように思えます。心あたたまる物語をありがとう。
そこそこ美人で仕事人間な主人公(28歳女性)が、事故による転移(もしかしたら一度死亡からの蘇生≒転生?)で異世界に来てしまい、そこで出会った優しい人たちに囲まれながら、異世界に馴染んでいくお話。異世界のゆったりとした空気は、主人公の、仕事に疲れた心と、事故により傷ついた体の両方を徐々に癒やしていきます。その過程における優しい人たちの言動や、ほのぼのとした雰囲気がとても愛おしいです。優しい人たちが何故優しいのかもそれなりに説得力があるので、ご都合感は薄く、気持ちよく読めると思います。勇者や魔王、冒険者や迷宮、婚約破棄も無く、悪役令嬢も(今のところは)いませんが、このほのぼのとした雰囲気を楽しんでみるのは如何でしょうか。