評価:★★★★☆ 4.4
入学したての女子高生・里緒は、ひょんなことから覗き込んだ管弦楽部にクラリネットの才能を見出され、流れで入部することになってしまう。
そこはコンクールの出場経験もない、初心者だらけのオーケストラ。待ち受けるのは、元気で、のんびりしてて、ちょっぴり個性の豊かな仲間たち。
「こんな私でも少しは役に立てるかな。仲間だと思ってもらえるかな」
不安と期待にまみれながらクラリネットを握る里緒は、しかしその裏に、誰にも言えない暗い過去を抱えていて──。これは、内気で弱気なクラリネット吹きの少女が、幾多の試練を乗り越えて舞台に立ち、誰にも負けない「自分の音」を手に入れる物語。
【2019/09/30】完結しました!
時代:未登録
舞台:未登録
この作品のざっくりとした感想は、響け! ユーフォニアムを基礎フレームにして好きなものをどんどんと貼り付け塗り重ね練りこみ掛け合わせ十重に二十重に積層させていくとやがて最強の作品が出来上がる、という発想が作品の土台なのだろうな、というものです。よって趣味が一致する人は楽しめると思います。細々したところからストーリーの大枠までそれぞれにあともう一段階引き上げられる感触もありますが、そこは読み手の趣味が入り込むところでもあり、技術的にそこまで求めるのはひどいという領域もあると思うので、レビューで触れるのはやめておきます。1/48スケールまではいけるだろうという期待を込めて。訥々 時野
舞台は高校の管弦楽部。学生オーケストラに所属していた私が昔を思い出すような、リアルな音楽描写。しかし、この作品の魅力はそこではありません。繊細で、ため息が出るほど美しいフレーズの流れ。その甘美で脳髄を魅了する言葉回しは、きっとあなたのページをめくる手を止められなくすることでしょう。等身大のキャラクターたちが、人間らしい関係性を繰り広げるこの作品。あなたは、そこにどんなメッセージ性を感じることが出来るでしょうか?と、畏まって書きましたが、わたしは、導入を読んだ時点で虜にされ、一瞬でファンになりました!このような素敵な芸術作品が毎日更新で読める。最高です!
かの有名な賛美歌『アメイジング・グレイス』から始まり、1つの命が消えてしまうという所から物語は幕を開ける。自分に自信を持てずにいた女子高生里緒。果たして彼女は様々な出会いや出来事を経てどんな音を手に入れるのか。物語はまだ、始まったばかり……。……という感じでいきなり調子にのってすみません。ここからはラフに書かせてください(今更)以前からこちらの作品について気になっていたのですが、今後の物語の展開が気になって仕方がありません。老若男女関係なく、気になった方は是非1度手に取ってみてはいかがでしょうか?※余談ですが、学生時代に1度だけチューバを吹かせてもらったことがあります。機会があればもう一度……って私の事やないかーい(失礼しました)