評価:★★★★☆ 4.1
不慮の事故で2年間の眠りについていた公爵令嬢のレイラ・アシュベリー。目覚めると、自分の婚約者であったはずの王太子がレイラの妹であるローゼと婚約を結び直していた。両親は「どうしても王家と婚姻を結ぶ必要があったのだ」と弁明する姿勢を見せるが、妹のローゼはどこか勝ち誇ったような様子。
政略結婚とはいえ、王太子のことを慕っていたレイラはこのまま他の家に嫁がされるのも、妹たちの幸せそうな姿を見ているのも限界だった。
リハビリを終え、どうにか屋敷の中を歩き回れるくらいに回復したレイラは、「来るもの拒まず」で有名な王都のはずれの修道院へ入ることを決意する。
両親にも使用人にも行先を告げず、こっそりと屋敷を抜け出したレイラは、道中雨に降られ道端にへたり込んでしまう。そんな弱り切ったレイラに手を差し伸べたのは、伝説上の存在である魔術師の青年だった――――。傷心した公爵令嬢の逃避行から始まる、幻の王都を巡る小さな恋の物語。
※「カクヨム」にも掲載しています。
話数:全80話
ジャンル:異世界恋愛
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:勘違い
注意:R15
貴女が羨ましかった両親の愛情を注がれ、麗しく、可憐だった貴女が私には、愛なんて向けて下さらないのに貴女が妬ましかった私が恋する人の隣に居た貴女が私には、全くもって見向きもしてくださらないのに――結局それは無い物ねだりであり、すれ違いであり、もしも、何か1つでも違えば、あんなことはならなかったかも知れないでも現実とは意地悪なものだったそうして、花は折れてゆく…折れた花とて美しく、なればこそ拾う者はいるのだ認められ、見留められ、そうして錆び付いた時計は漸く針を動かし始める――言ってしまえば壮大な空回り。ifが許されるなら、もう少しはきちんと回ったのだろう尤も、たらればなぞ後悔の1つの形に過ぎず、そして結局別のところが歪んでいたのだろうあと少しずれていれば、なんて言葉が似合いそうでもそんなのは起きなかったのがこの作品