評価:★★★★☆ 4.3
アイリーン・ド・メリケインは王女である。
戦乱の時代、泡沫のように生まれては消える数多の国。その中にあって敵国に囲まれながらも独立を続けるメリケイン王国。かの王女は気性の激しさと、その類い稀な強さから炎姫(えんき)と呼ばれていた。
そんな炎姫アイリーンと剣闘奴隷バルドロウ。
お互いに惹かれ合うものの、身分差の前に結ばれることなく命を散らす。
そんな悲恋のお話です。
話数:全27話
ジャンル:異世界恋愛
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
王女。王の一人娘は王配となる者を急ぎ探す必要があったが、強く気高い彼女に見合う男はいない。剣奴、剣闘奴隷。戦乱の世において、戦うことで身をたて生き残った剣奴を、正規の兵士として徴用することは効率的であった。国の未来を背負い強さを求める王女と、剣一本で過酷な生活を生き抜いてきた元剣奴が惹かれ合うのもまた道理。身分差を超え、手に手を取った炎姫アイリーンと剣奴バルドロウは、信のおける仲間と共に真に強い国を作る……はずだった。── 国一番の精鋭部隊が全滅。予想だにしないこの一報が二人の運命を大きく狂わせる。その後、数百年に渡り語り継がれることになる壮絶な物語を、どうかその目で見てほしい。
苛烈な性格である炎姫。彼女の全ての価値は強さにあった。一方、強さで身分を覆したバルドロウ。個人の強さが惹かれ合い、お互いに認め合う。 国の残酷さは、異分子を認めないもの。二人を襲う悲劇。そして、事実としてあたりまえの数の暴力と裏切り。 異世界ものですが、個人の能力のご都合主義もなく、戦争の非道さを表した素晴らしい作品です。 書き手さまから別の作品の劇場の物語と伺ったときに衝撃を受けました。まさしく劇場脚本として素晴らしい作品だと感じました。 ぜひ、読んで頂きたい作品です。
時は、戦果てぬ過酷な異世界。ここに住まう者たちの物語。炎姫こと王女アイリーンに見初められた、剣奴上がりの男バルド。リアリティー満載のとても悲しい恋。命を炎のように激しく燃やす。時が悪い。たとえ、そうであっても。ある種の救いは残されているかと。これは心に残る作品のひとつ。そしてこれは単体でも読める劇中劇。演劇は悲劇から始まったと聞く。◇果敢なる姫君炎のごとく俊椀なりし奈落の底と違わぬ剣奴を抜ける男ら従うのか慕うのか直ぐにわからねど聞こしめすは強きもの伴侶となれり恋路に不器用な男の気のない仕草か意地でも雅な舞いをば身につけゆけ地は剣の舞いのとくも得意となりゆ野の花とは異なむる王女の位気高く愉快な道のりとはいえずとも恋煩い苦楽を共に歩むものぞと見定めゆく炎姫と男は共に夢中になり想いきさ時は酷にも分かつも夜見に結ばれよ
いくつもの国が生まれ消え行く、戦乱の時代。強くあれと育てられた王女と、強くなければ生きていけなかった剣奴は、出会い、互いに惹かれ合う。しかし、それは悲劇の始まりだったーーー多くの反対を受けつつも成就するかと見られた2人の恋は、非情な歴史の中で儚くも散ってしまう。その歴史は、ファンタジーとは思えぬほどに重厚で圧倒的。普段恋愛ものに興味がない人でも、歴史ものとして楽しめるだろう。そして、この世界の歴史が胸に刺さったら、ぜひこの作品の本編となる「異世界金融」も覗いてみてほしい。もちろん、無垢な二人の織り成す、純粋で激しい恋模様も必見の美しさである。
いえーい!!暮伊豆さんの新作だぁー!!と読んでびっくり。これは暮伊豆さんの代表作、異世界金融のスピンオフ作品なのだ。これはもう両方読むしかない!!アイリーン・ド・メリケインは王女である。はい、来ました。女王です。また可愛いのですよ。そして凛々しい!!そして厳しくも国を束ねる王女!!戦乱の時代、泡沫のように生まれては消える数多の国。その中にあって敵国に囲まれながらも独立を続けるメリケイン王国。かの王女は気性の激しさと、その類い稀な強さから炎姫(えんき)と呼ばれていた。このネーミングセンスがまた素晴らしい。そんな炎姫アイリーンと剣闘奴隷バルドロウ。何故か。使い物にならない落伍者を再利用する非道な仕組みがあるからだ。そんな、毎日が命の瀬戸際の男と姫が出会う。お互いに惹かれ合うものの、身分差の前に結ばれることなく命を散らす。そんな悲恋のお話です。