グラジオラスは曲がらない 完結日:2019年11月12日 作者:Grow 評価:★★★★☆ 4.1「ただの人が、地球から召喚されたあたしに敵うわけないのに」 その言葉を言い放ったのは剣も握ったこともないであろう少女であり、言われたのは過去の英雄に憧れ剣に生きてきた少年である。 「ざっけ……ん――な。絶、対――勝つ」 その怒りが、彼ニール・グラジオラスを突き動かす炎だ。それから二年後、街一つが地球からの転移者の集団によって制圧された時、物語は動き始める。 *完結しました。 話数:全288話 ジャンル:ファンタジー 異世界ファンタジー 登場人物 主人公属性 主人公は現地人 職業・種族 冒険者 時代:未登録 舞台:異世界 雰囲気:未登録 展開:未登録 その他要素 剣と魔法 剣士 異世界トリップ 注意:R15 残酷な描写あり なろうで小説を読む
恐らくこの作品がランキング上位に上がりきらないのは物語が動き始める序盤の展開がなんとも読み辛いことにあるだろう。だが少しでもタイトルに惹かれてこの小説を読み始める読者には是非とも読み進んでもらいたい。あなたがタイトルから感じ取った魅力的な小さな輝きは、確かにこの物語に存在する。序盤ではあやふやで朧げな物語の行き先が、中盤から終盤にかけてしっかりと形作られて行く。剣も魔法も奇跡もチートもあるが、他人から与えられただけの力では、独りよがりの力だけでは決して自分の願いは成し遂げられない。自分の望む物を得るためには何が大切か。それは地球でも異世界でも変わらない事を登場人物達は教えてくれます。そして良くも悪くも「熱意」或いは「覚悟」ある人間が世界を動かすという事を。チート能力だけで世界が動く作品以外の小説を読みたくなった私が辿り着いたこの作品。同じような読者が居たらオススメです。
特に、復讐心を煮え滾らせた異世界現地人が、捨て身特攻や「刺し違えてでも」の展開かと予想していたのですが、 きっちりと分析、試行、対策の過程があって、夢中になって読み進めてしまいました。 また、「俺と剣の相性が良くて、前よりも強くなった――だからどうした、馬鹿か! 俺の身体能力が奴らに比べて劣っているし、転移者のスキルに比べて俺の剣は鈍いだろうが!」と直ぐ様、自分に喝を入れる展開がとても好ましく思います。 チート転移者をすぐに雑魚扱いはしない! 強いまま、丁寧に丁寧に現地人がチート転移者を超えていく、一泡吹かせていく! そうして緊張感を保っているからこそ、主人公達の強化・成長が良い結果を生む瞬間が非常に素敵です!
シリアスとコメディと飯テロ(酒テロ)が5:3:2くらいで程良くミックスされたファンタジーです。お酒に弱い私ですが、この作品の描写で思わず、飲めないビールを買ってきてしまったくらいなんだか美味しそうです。簡単に言うと、剣と魔法の世界で少年が異物を倒すために立ち上がる話……なのですが、正統派なハイファンタジーとは少し違って彼の倒す目標は”少女”で”トリッパー”なのです。剣と魔法の世界で努力をしてきた普通の少年が、現実世界から転移してきたチーターなトリッパーに自身の鍛えた剣技で立ち向かおうとしている姿がとても格好良かったです。「気まぐれに力を与えられて、それに酔ってるような連中に、負けて、られるか」