評価:★★★★☆ 4.3
朝倉美幸(あさくらみゆ)は妹属性が大好き過ぎておかしいこと以外、普通の女子高生だった。
しかしふと気が付けば何故かとある乙女ゲームの悪役令嬢セリーネになっていて、しかもそのゲームのヒロインはそんな彼女の義理の妹だった!
妹のことになるとバカになってしまう悪役令嬢セリーネは、その悪役という事も忘れてただひたすらにヒロインを愛でることに集中するのであった……
この物語はそんな少し残念な彼女と、義理の妹である素直で純情なフィアナ、そしてその周囲の人々を巻き込んだり巻き込まなかったりしながら過ごす日常のゆるーい姉妹のお話。
時代:未登録
舞台:ゲーム
雰囲気:未登録
展開:未登録
前作もレベルが高かったが、それを上回る面白さ。特に、主人公ーセリーネーがとても魅力的。ひねった設定の前作と比べて、本作の設定はありふれたものだが、妹愛に溢れるセリーネの過剰かつ尊いパワーが、ストーリーを突き動かす凄まじい原動力になっている。妹ーフィアナーがデレるのが早すぎるような気もするが、グダグダするよりはよっぽど良い。何よりも分かりやすくて良い。まだまだ隠された綾があるようだが、それすらもぶち壊すであろう、今後のセリーネの暴走が楽しみ。
お姉ちゃんの何が悪役かというと、周りを巻き込むハリケーン具合だろう。妹好きに急変した理由を「夢のお告げがあった」と言い。妹への愛ゆえに、自害しようとしたり、みっともない姿で這ってでもかけつけようとする。この姉、重度のシスコンです(笑)かの姉妹でヒロイン&悪役令嬢の作品を彷彿とさせますが、もう姉の溺愛具合が突き抜けてます。しかも根は市民なので、貴族のルールなんて知らない平民妹と同身分。この手の作品にしては、勉強も全くわからず、魔法もイチから覚えるところからというハンデを背負ってますが、それさえも妹と触れ合う口実にして楽しんでます。理解者で妹属性持ちのキャラとメイドさんが、実にいい味を出してる。この作品を一文であらわすには。『妹がどれほど尊い存在か、どれほど可愛いかそなたに教示しよう』そう、夢のお告げが下るでしょう。